第73話 Waiting list ページ26
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貴「…お兄さん放っておいていいの?」
三「んー、どーすっかなぁ…」
三ツ谷の手当ても終わりインパルスに乗せてもらい帰ろうとしたが、未だに教会の前で膝をつけたまま動かない柴大寿。
何を思ったか三ツ谷は彼に近付き肩に手を置いた。
三「…下を思う気持ちはわかる
これからどうすんだ?」
大「……もうあの家にオレは必要ねぇ」
三「柚葉と八戒はどうすんだよ」
大「金は入れる
アイツらはもう勝手にやんだろ」
三「そうか」
あまり人様の家庭の事情を聞くのはよろしくない。
聞いていないふりをしてそっぽを向いておく。
柴大寿は大きな身体をゆっくりと立ち上がらせた。
…うわ、三ツ谷と並ぶと身長差とか体格差えぐ。
三「よし、大寿クン連絡先交換すっか?」
大「あ?」
貴「は?」
いけない。思わず反応してしまった。
いやだって、さっきまで殴りあってた奴でしょ?
なんで連絡先交換になるワケ?
三「兄貴同士思うところあんだろ?
柚葉と八戒のこと気になるなら教えてやっから」
大「………」
三ツ谷が笑顔でそう言うと柴大寿は携帯取り出した。
えぇ〜。男の子ってよくわからん。
敵の敵は味方ってやつ?
三「んー、あー……A!
連絡先交換どうやんだっけ!?」
貴「え!?前も教えたよね!?」
悪いと笑って三ツ谷は自分の携帯を私に渡す。
柴大寿の携帯も流れで受け取り交換してあげると2人からお礼を言われた。なんだこの状況。
貴「ハイ、大寿クン携帯
あと三ツ谷の───…って!?」
三「あ、やべ」
連絡先の画面を閉じると待ち受けには私がいた。
本当に私の写真待ち受けにしてたの!?
八戒じゃあるまいし!!
三ツ谷は瞬く間に素早く私から携帯を取り上げて特攻服のポケットにしまう。そして何事も無かったかのようにインパルスに跨った。
三「さーて帰るか」
貴「随分雑な誤魔化しですね?
三ツ谷クン?」
三「いーから
早く乗らねぇと置いてくぞ」
貴「ずるい!!」
三ツ谷の後ろに乗るとエンジンがかかる。
久しぶりだなぁ。
インパルスに乗るも彼の体温を感じながら走るのも。
三「またな、大寿クン」
貴「お元気で〜」
コールを一二回鳴らすと走り始める。
私たちは午前1時に教会をあとにした。
雪はもう止んでいたが冬にバイクの風は冷たかった。
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わびすけ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます。ノンストップでの拝読お疲れ様でございました!お話が本誌に近付いているということもあり、更新が遅くなっておりますが気を長くしてお待ちいただけますと嬉しいです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 通りすがりの佐藤さん» コメントありがとうございます。そのように仰っていただけてとても嬉しいです!これからも今作を温かく見守ってくださいますと幸いです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - ううううう最高すぎます…今日この作品見つけて、面白すぎてノンストップで最新話まで見ました!!めっちゃ面白くて最高です!!!更新楽しみにしております!! (2021年9月20日 22時) (レス) id: a52571fa0a (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの佐藤 - ぬぐぉぉ…なんだこれ最高かよ…この作品にあえてホント良かったわ〜…これからも頑張ってくださいね〜! (2021年9月20日 17時) (レス) id: fafdf4bfd0 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» コメントありがとうございます。台詞に気付いて下さって嬉しいです!イザナと何かしらの繋がりがあったらいいな…と思い組み込みました(^ ^)これからもどうぞ今作を暖かく見守ってくださると嬉しいです。 (2021年9月5日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2021年8月3日 7時