第72話 Step ページ25
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手当てを終えた柴家姉弟は兄である大寿に何かを告げて去り、千冬は自分で出来るからと簡易的に手当てをして帰った。ドラケンも万次郎の所へ行くと言って概ね解散。
私はまだその場に残り三ツ谷の手当てをしていた。
貴「目、閉じて」
三「おー」
三ツ谷の顔に付いている血をタオルで拭く。
目を伏せている三ツ谷の睫毛は長い。
改めて見ると綺麗な顔してるなぁ。
1番大きな額の傷に消毒液をかけると眉をひそめる。
貴「ごめん、痛かった?」
三「ヘーキ。手当て助かるワ」
ガーゼを貼って、頭に包帯を巻く。
どうやら私と同じく鉄パイプで殴られたようで。
あれ痛いよねぇなんて笑って話した。
三「…Aまで巻き込んじまったな」
貴「巻き込んだの万次郎とドラケンだから
三ツ谷は気にしなくていいよ」
そんな事を話しているとエマから着信がきたので、手を止めて応答ボタンを押すとエマの泣いた声が聞こえた。
エ『A〜ッ!?
ヒナとタケミっち復縁したよぉ…!』
貴「ん。良かったねぇ」
エ『うぇ〜ん!良かったよ〜!!』
貴「ふふ、泣きすぎだよ」
エ『だって〜ッ!
───…エッ、ドラケンッ!?』
ブツブツッと途切れながらエマの声が遠くなる。
次に聞こえたのは妹の声ではなくドラケンの声だった。
ドラケン!返してよ!という声も聞こえなくもない。
ド『マイキー、タケミっちと走り行ったから
エマ送るついでに借りるわ』
貴「うん。ヨロシク
あんまり遅くならないようにね」
ド『Aもな』
私は三ツ谷の手当て終わったらすぐ帰りますぅ〜。
そう思いながら携帯を閉じる。
クリスマスは終わっちゃったけどドラケンと少しだけデートできるね。きっと嬉しそうに帰ってくるんだろうなぁ。
貴「ごめん三ツ谷
あともうちょっとで終わるから」
三「謝るのは俺の方だろ
こんな時間まで……帰り送るわ…」
貴「んーん、ありがと」
細やかな傷口に絆創膏を貼っていく。
タオルで拭われた血。たくさんの傷。巻かれた包帯。
一歩間違えたら死んでしまっていたのでは?
そんな事を考えると恐怖が全身を一瞬で支配した。
貴「……三ツ谷が無事で良かった…ッ、」
言葉と共にこぼれ落ちる涙。
それを見て三ツ谷は目を丸くして驚いた顔をしたあと、あの時のようにまた抱き締めてくれた。
三「悪い…心配かけた」
貴「………三ツ谷の石頭…」
三「ふは、喧嘩には有利だろ?」
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わびすけ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます。ノンストップでの拝読お疲れ様でございました!お話が本誌に近付いているということもあり、更新が遅くなっておりますが気を長くしてお待ちいただけますと嬉しいです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 通りすがりの佐藤さん» コメントありがとうございます。そのように仰っていただけてとても嬉しいです!これからも今作を温かく見守ってくださいますと幸いです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - ううううう最高すぎます…今日この作品見つけて、面白すぎてノンストップで最新話まで見ました!!めっちゃ面白くて最高です!!!更新楽しみにしております!! (2021年9月20日 22時) (レス) id: a52571fa0a (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの佐藤 - ぬぐぉぉ…なんだこれ最高かよ…この作品にあえてホント良かったわ〜…これからも頑張ってくださいね〜! (2021年9月20日 17時) (レス) id: fafdf4bfd0 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» コメントありがとうございます。台詞に気付いて下さって嬉しいです!イザナと何かしらの繋がりがあったらいいな…と思い組み込みました(^ ^)これからもどうぞ今作を暖かく見守ってくださると嬉しいです。 (2021年9月5日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2021年8月3日 7時