【東卍】私の幸せ 弐【三ツ谷隆】

第68話 Xmas ページ21

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今日は12月25日のクリスマス。昨日のイブはドラケンも家に招いてケーキやチキンを食べた。

東卍も黒龍とも何事も無く平和に過ごしていた。
万次郎の心も少し休まったかもしれない。



貴「エマー？行くよー」


エ「待って待ってー！！」



イブに続き今日も雪が降っている。
傘をさして向かうは毎年恒例の神社だ。

何故か真一郎が毎年クリスマスにお祈りしていたので、小さい頃エマと後ろ着いて行っていたら毎年の行事のようになってしまった。

真一郎も私たちも変わり者だなぁ。


ちなみに万次郎はドラケンとバイクふかしに行った。



貴「マフラー似合ってるよ〜」


エ「ヘヘっ、ありがと！」



エマは私が誕生日プレゼントにあげたマフラーを巻いていて上機嫌だ。

雪は少しだけ積もっていて足元に注意しながらゆっくり歩いた。


例年より時間がかかったが神社に着くと、いつもは誰もいないはずだが今年は先客がいた。珍しい事もあるもんだ。

真剣にお祈りしている先客を見るとそれは数週間前に会っていた友達だった。



貴「…あれヒナちゃんじゃない？」


エ「ホントだ！声掛けよー！」



エマがヒナちゃんに近寄り声を掛けると、ヒナちゃんは驚いたように私たちを見た。

ベンチに座って話していると、どうやらヒナちゃんも毎年この神社に来ていたと言う。もしかしたら私たちはずっと前から出会っていたのかもしれない。すごい偶然だなぁ。



エ「───…で？何お祈りしてたの？」


ヒ「……」



ヒナちゃんはぽつりぽつりと話し始めた。
昨日のイブデートでタケミっちに別れを告げられた事。

だがそれは警察官のヒナちゃんのお父さんがタケミっちにお願いしたらしい。


まぁ、お父さんの気持ちもわからなくはない。

死者や逮捕者がでるほど過激な喧嘩をしている東京卍會に所属している彼氏。しかもタケミっちは壱番隊隊長。
その抗争に巻き込まれる可能性はゼロではない。
パーちんの時もそうだった。



貴「それはタケミっち的にはしんどいね…」


ヒ「ウン…」


エ「でも親に言われたからって…
よし！この件はウチに任せな！」


ヒ「え？」


貴「さっすがエマ！
頼りになる〜」



エマはおもむろに携帯を操作し誰かに電話をかける。戸惑っているヒナちゃんを宥めながらその様子を見る。

きっとタケミっちはヒナちゃんを想って別れた。
けど絶対に未練タラタラなはずだと思う。





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