第65話 Wedding dress ページ18
*
思わず息を飲んだ。
空き教室のカーテンから射し込む僅かな光にほこりが照らされていてキラキラと舞う。
オレの様子を伺っているA。
ドレスが似合いすぎている彼女を見て、自分は無意識にAに似合う物を作っていたのだと自覚した。
……惚れ込みすぎだろ。
もう少し見ていたかったが野郎共がじっとしているとは限らない。自分以外に見せたくなくてもう一度安田さんを呼んだ。
安「どうでした！？部長！？」
三「ばっちし
このままコンクールだす」
オレの回答に満足したのか安田さんは笑顔でAのいる教室に入っていった。
さっき撮った写真待ち受けにしてぇな。
だがAのこの姿を誰にも見せたくない。
携帯の画面を見ながら悶々と考えていると約3名程の目線がチクチク刺さる。
三「…オマエら
さっきからッルセェぞ」
タ「えー？何も言ってないッスよぉ？」
ペ「そうだぜ、三ツ谷ァ？」
冬「オレ少女漫画でこーゆーの見ました
やり手ッスね、三ツ谷君」
ニヤニヤとオレを見る3人。
携帯の画面を閉じ、ため息を吐く。
舐められてるようで少し腹が立つが、無駄に反応すると面倒くさくなるのを知っているので無視してミシンを片付ける。
冬「三ツ谷君最近押しますね」
三「何がだ？」
冬「前はAに対してこんなに
オープンじゃなかったじゃないッスか」
三「あー、確かにな」
オレは昔からAの事が好きだった。
最初は妹のように慕っていただけだったが、Aの兄貴が死んだ時抱え込んでいる彼女を見て守るべき存在となった。
それからAの相談相手になる事が多くなったのだが、彼女はオレが"妹扱い"していると勘違いしていたのだ。
それをドラケンに相談すれば「あ？オメー引きすぎなんだよ。もっと"特別扱い"しろ。アイツ結構自分のことに関しては鈍いぞ」と言われた。
やっぱドラケン違ェわ……
三「…蒔かぬ種は生えぬってやつだな」
ペ「ンだそれ？」
ペーの事を無視するとタケミっちが律儀に意味を教えていた。
思い違いじゃないといいが、そのお陰か最近のAはオレを意識してくれているように感じる。
ピアスも毎日付けてくれていて見る度に嬉しくなる。
三「(いつか本物着させてやりてぇな…)」
将来は服を作る仕事がしたい。
大人になってカタギになって。
Aが隣にいてくれたら着させてやりたい。
オレが仕立てたウェディングドレスを。
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わびすけ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます。ノンストップでの拝読お疲れ様でございました！お話が本誌に近付いているということもあり、更新が遅くなっておりますが気を長くしてお待ちいただけますと嬉しいです。 (2021年9月21日 11時) (
レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 通りすがりの佐藤さん» コメントありがとうございます。そのように仰っていただけてとても嬉しいです！これからも今作を温かく見守ってくださいますと幸いです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - ううううう最高すぎます…今日この作品見つけて、面白すぎてノンストップで最新話まで見ました！！めっちゃ面白くて最高です！！！更新楽しみにしております！！ (2021年9月20日 22時) (レス) id: a52571fa0a (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの佐藤 - ぬぐぉぉ…なんだこれ最高かよ…この作品にあえてホント良かったわ〜…これからも頑張ってくださいね〜！ (2021年9月20日 17時) (レス) id: fafdf4bfd0 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» コメントありがとうございます。台詞に気付いて下さって嬉しいです！イザナと何かしらの繋がりがあったらいいな…と思い組み込みました(^ ^)これからもどうぞ今作を暖かく見守ってくださると嬉しいです。 (2021年9月5日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あたた | 作成日時：2021年8月3日 7時
