第48話 Peace of Mind ページ1
*
瞬間に頭部にひどい衝撃。
痛いなんてものじゃない。
目が眩んで視界が歪む。
頭から生暖かいぬるりとした液体が垂れてくる。
それが血だと判断するのは早かった。
喧嘩で気を抜いた私が悪い。クソ。
貴「(ドラケンもこんな感じだったのかな…)」
背後を見ると鉄パイプを持っている奴が1人いた。
それで殴ったんだなぁと他人事のようにそう思った。
深呼吸をすると視界の歪みが一切消えて痛みもあまり感じなくなった。
手加減してたけど、もう、いいや。
背後にいた奴を力の限りで回り蹴りをした。
するとそいつは痙攣しながら地に伏せる。
「───…は?」
「は!?バケモンかよ!?」
「鉄パイプもろだぞ!?」
貴「うるさいうるさい
頭に響く」
そうだ、相手は私を殺す気なんだ。
なら自分も殺される覚悟があるという事だろう?
自分の何かが切れかかったその時。
三「Aッ!!」
貴「…三ツ谷?」
君はいつも私がいてほしい時に傍にいてくれるよね。
三ツ谷は汗をかきながら息を切らして現れた。
その様子を見るに相当急いで来てくれたのだろう。
貴「…エマは?」
三「ドラケンがついてる
───ってオマエ血…!」
貴「鉄パイプで殴られた」
三「は?」
貴「大丈夫、いけるよ」
三「あ?もういい、安静にしてろ」
貴「……ひぇ」
普段温厚な三ツ谷がガチギレしてる。
東卍の弐番隊隊長の肩書きはやはり有名なようで三ツ谷の姿を見て相手はビビり始めた。
三「手当て、自分で出来るか?」
貴「……ゴメン、無理そう…」
視界がぐわんぐわん揺れている。
これは少し駄目かもしれない。
それを察したのか三ツ谷は私を座らせて目線を合わせて私の瞼を手で伏せさせる。
三「しばらく目、閉じてろ」
貴「……うん」
いつもより低い声でそう言われた。
その後聞こえるのは三ツ谷ではない呻き声ばかり。
圧倒的に三ツ谷が勝っているのだと分かった。
数分程時間が経っただろうか。
周囲は静かになり1つの足音が私に近付いてくる。
薄ら目を開けるとそれは三ツ谷のもので、その姿を見て私は安心したのか電源が切れた機械のように意識を失った。
最後に見たのは必死に私の名前を呼びながら駆け寄る三ツ谷の姿だった。
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わびすけ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます。ノンストップでの拝読お疲れ様でございました!お話が本誌に近付いているということもあり、更新が遅くなっておりますが気を長くしてお待ちいただけますと嬉しいです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 通りすがりの佐藤さん» コメントありがとうございます。そのように仰っていただけてとても嬉しいです!これからも今作を温かく見守ってくださいますと幸いです。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - ううううう最高すぎます…今日この作品見つけて、面白すぎてノンストップで最新話まで見ました!!めっちゃ面白くて最高です!!!更新楽しみにしております!! (2021年9月20日 22時) (レス) id: a52571fa0a (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの佐藤 - ぬぐぉぉ…なんだこれ最高かよ…この作品にあえてホント良かったわ〜…これからも頑張ってくださいね〜! (2021年9月20日 17時) (レス) id: fafdf4bfd0 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» コメントありがとうございます。台詞に気付いて下さって嬉しいです!イザナと何かしらの繋がりがあったらいいな…と思い組み込みました(^ ^)これからもどうぞ今作を暖かく見守ってくださると嬉しいです。 (2021年9月5日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2021年8月3日 7時