【東卍】私の幸せ【三ツ谷隆】

第38話 Success ページ40

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赤いランプが消えた。それは手術が終わったという合図で扉から医師が出てきた。

医師の言葉を待つ空気に緊張感が走る。



「…一命はとりとめました」


タ「へ？」


「手術は成功です」



それを聞いた万次郎は私の袖を掴んで引っ張って行く。
喜んでいる皆に気付かれまいと静かに外に出た。

後ろからタケミっちの喜ぶ声が聞こえる。
嬉しいのは分かるが病院では静かにって言ったよね…？


誰もいない病院の中庭に着くと力が抜けたように万次郎は背を壁に預けた。



貴「安心した？」


万「…うん」


貴「私以外見てないから
泣いていいんだよ」



万次郎は私の顔をじっと見つめてくる。

またあの時と同じように抱き締めてやると涙を流し始めた。溢れんばかりの涙は私の肩を濡らした。



万「……よかったっ…
ケンチン…」


貴「うん、良かったね」


万「心配かけさせやがって」



嬉し涙というものは止まるのが早いもので案外すぐ泣き止んだ。うん、笑顔のほうが断然良い。

すると駐車場の方から雄叫びが聞こえた。
ドラケンが助かった報せを受けて騒いでいるのだろう。



万「アイツら…静かにしろって…」


貴「まぁまぁ
それだけドラケンが好かれてるって事だね」


万「ケンチンが好かれんのは当たり前だろ」


貴「なんで万次郎が自慢げなの」



駐車場へ行くと東卍が大集合していて総長の姿を見ると笑顔で駆け寄ってきた。

エマとヒナちゃんも私に駆け寄ってくる。
妹はまた泣いていたようで目が真っ赤だ。
帰ったら目をタオルで冷温をしてあげよう…



万「オメーら！病院だぞ静かにしろ！！」



万次郎の一言でその場は静まり、解散となった。

ヒナちゃんはタケミっちが送ることになり2人で帰って行った。ヒナちゃん風邪ひかないといいけど…



万「A、エマ、帰んぞ」



落ち着いた万次郎の声。

バイクを押して帰るのは時間も気力もかかるので私は三ツ谷の後ろに乗せてもらって帰った。



貴「───…ヘっ……へっぷしゅ！」


三「帰ったら早く風呂入れよー？」


貴「…はぁい」





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