第33話 Parking lot ページ35
*
私たちの行く手を拒むように突然雨が降り始めた。
濡れた道路はブレーキが効きづらいというのにギアを上げ更にスピードを出す。
夏祭りがやっている神社まで少し遠い。
倉庫で万次郎を襲ったのが愛美愛主の奴ら。
そこに呼び出したのはぺーやん。
──ぺーやんはまだパーちんを助ける気だったのか。
万次郎とドラケンが和解してそれは無しになったから愛美愛主と組んでパーちんを助けようと…?
その手始めにドラケンを。
万次郎がいたら勝てないと踏んで引き離した。
貴「ねー!
ぺーやんってこんな回りくどいことする!?」
万「いや!ぺーやんはそんなタマじゃねぇ!」
貴「誰かバックにいるよ、これ!」
万「クソッ…!」
またペダルを押し下げ、ギアを上げる。
たまに当たる雨粒が痛い。
前にいる万次郎はもっと痛いはずなのに。
貴「そっち左行けば裏の駐車場!」
その場所は大当たりだったようで大勢の愛美愛主の裏手に出た。白い特攻服の中に一人だけ黒い特攻服。
さらに奥には頭から血を垂らしているドラケン。
そのそばに三ツ谷、タケミっち。そしてエマ。
すぐにバブから降りてドラケンの元へ駆け寄った。
万「ケンチン任せた」
貴「任された」
万次郎に親指を立てながら言った。
バッグの中から救急セットとハンカチを取り出す。
貴「頭見せて」
ド「…悪ィな」
貴「何で殴られた?」
ド「あー……バット?」
なんで疑問形なんだ。血が出ている部分を見つけるとそれは後頭部に近かった。
後ろから殴られたのか。
…打ち所が悪かったら即死だぞ?
とりあえず傷口にハンカチを当てる。
服の袖で顔に垂れている血を拭ってやると汚れるからと止められた。だがもう拭った後だったので知らんふりして続けた。
貴「ぼーっとする?」
ド「少しな」
貴「エマ、救急車呼んで」
エ「わ、分かった!」
貴「落ち着いて、ね?
意識はあるけど頭をバットで殴られて
歩行困難って伝えて」
エ「うんっ!」
私たちが来て安心したのかエマは笑顔で返事をしてこの場を離れた。
だがその安心もすぐに無くなってしまう事態に進展してしまうとは思ってもいなかった。
ドラケンの傷もこんなものでは済まないとも知らずに。
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わびすけ(プロフ) - あかさたなはまやらわさん» 原作、場地くんファンの皆様にご不快な思いをさせていたことになりますのでご指摘とても助かります!ありがとうございます!今後とも今作をよろしくお願いします。 (2021年10月31日 13時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あかさたなはまやらわ - この作品最高です!で,気づいちゃったのですが…2話の場地くんを紹介するところで場地が馬地になってました,,細かくてすみません (2021年10月30日 22時) (レス) @page4 id: 5ef1823fc7 (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 漆Pさん» 初めまして。そのように仰っていただけて嬉しいです!三ツ谷の登場回これから増やしていく予定ですので楽しんでいただければ幸いです。これからもどうぞ今作をよろしくお願いします! (2021年7月28日 8時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 初めまして!小説拝見させてもらってます!毎回三ツ谷がカッコよすぎて読んでるこっちもドキドキしてます(*´v`*)こんな楽しいお話書いてくださりありがとうございます!無理なく更新がんばってください! (2021年7月27日 15時) (レス) id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
わびすけ(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» コメントありがとうございます。ご期待に添えるように頑張ります! (2021年7月16日 14時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2021年7月10日 21時