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(増田サイド)
ゆっくり目を開けた祐也は、
「祐也!ねぇ、祐也!」
Aの呼びかけに答えるかのように、Aに目を合わせた
「………まっすー、祐也、なんか言ってる…」
1番近くで祐也のことを見ていたAの言葉を聞いて、俺もベッドに近づく
『祐也?どうした?……お話したい?ちょっとマスク外そうか』
邪魔になっていた酸素マスクの紐を外して、胸元に置いてやる
「……、…A……」
祐也に名前を呼ばれたAは、もう涙でぐちゃぐちゃな顔をしてて、
「なに、祐也…」
「………ば、………か…」
「………ばか……?」
そう言うと、ふふっと祐也が笑った
「…ばかって、…ばかってどういうこと…!」
いつもと変わらないふたりの様子に思わずみんなが笑ってしまう
思わず笑ってしまったAの顔を見て、祐也はふわりと笑って頷くと、じゃあな、とでも言うかのように繋いでいたAの手を微かに握った
そして、すっと目を閉じた祐也は、そのまま、もう目を開けることはなくて、アラームを消した心電図のモニターが直線を描いていた
「…祐也、またね」
もっと取り乱すかな、と思ったけど、Aは意外と落ち着いていて、祐也にそう声をかけると
「しげ先生……部屋戻る」
と、自分の病室に帰って行った
残った俺と小山で、祐也の身体についていた機械を外して、祐也の身体を綺麗に拭いた
本当はこういうの看護師でやる作業なんだけど、どうしてもやらせてほしいと代わってもらった
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結夏(プロフ) - こちらにコメント失礼します。心はきっと救える 大好きな作品だったのですが、読めないのですか…? (2019年10月6日 8時) (レス) id: 435e9dc929 (このIDを非表示/違反報告)
ひなの - 完結おめでとうございます!このお話とても大好きでした!手越くんらしい生き方だなぁと思いとても感情移入してしまいました。これからも手越くんメインのお話書いていただきたいです!楽しみにしてます。 (2018年3月28日 11時) (レス) id: d9ae80f945 (このIDを非表示/違反報告)
綾華(プロフ) - 完結おめでとうございます! 終盤、涙が浮かびました……(>_<) 歌詞に基づいていたことはあとがきを読んでから成る程…と思いました(笑) (2018年3月28日 11時) (レス) id: 1f2a7091f1 (このIDを非表示/違反報告)
闇雲(プロフ) - 完結おめでとうございます!もちろん新作の更新も楽しみですが、心はきっと救えるというお話も大好きなので是非更新待ってます( ; ; ) (2018年3月28日 9時) (レス) id: cfe197e7d9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - aimさん» 素敵な感想ありがとうございます( ;∀;)手越くんらしい生き方、手越くんらしい最期を意識して書いていたのでそんな風に言っていただけて本当に嬉しいです!読んでいただきありがとうございました(*´ー`*) (2018年3月28日 1時) (レス) id: 3a579bb468 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2018年3月23日 21時