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(増田サイド)
Aの病室を出て、医局に戻る途中
胸元のポケットの中のPHSが震える
発信者は小山と表示されていて
この時間にかかってくるのなんて、誰のことか予想できてしまって、嫌な予感がする
『はい、』
「まっすー!祐也下血してる」
『すぐ行く』
…やっぱり、だ
もう何日家に帰れていないかわからないくらい病院に居っぱなしで、身体は疲れきっていたけれど、
今はそんなこと言ってられなくて急いで足をICUに向けた
『いつから?』
「1時間前に見に来た時は変わった様子は無かったんだけど…」
病室へ行くと、祐也が寝ているベッドのシーツは真っ赤に染まっていて、モニターからは血圧異常のアラームが鳴っていた
『輸血と抗凝固剤、こっちでルートとって入れるわ』
ルートを取って、点滴を繋げていると、
「まっすー、祐也全然おしっこ出てないんだけど…」
と小山が祐也の採尿パックを見ながら言う
『…ほんとだ…腎不全起こしてるかもな…』
もう、正直祐也の身体が受け入れられる投薬量に限界が来ていて、
敗血症の影響で全身の臓器に送られる血液の量が減っているせいでいろいろな臓器が障害を発生させていて、
それに対する対症療法をするしか俺らには今出来ることがなくて、
その対症療法にだって、限界があるわけで、
『祐也…辛いよな…ごめんな…』
人工呼吸器をつけて眠っている祐也の表情は、決して穏やかとは言えなくて見ていられない
その日は、祐也の手を握ったり、汗を拭いたりして、気づいたら太陽が昇っていた
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結夏(プロフ) - こちらにコメント失礼します。心はきっと救える 大好きな作品だったのですが、読めないのですか…? (2019年10月6日 8時) (レス) id: 435e9dc929 (このIDを非表示/違反報告)
ひなの - 完結おめでとうございます!このお話とても大好きでした!手越くんらしい生き方だなぁと思いとても感情移入してしまいました。これからも手越くんメインのお話書いていただきたいです!楽しみにしてます。 (2018年3月28日 11時) (レス) id: d9ae80f945 (このIDを非表示/違反報告)
綾華(プロフ) - 完結おめでとうございます! 終盤、涙が浮かびました……(>_<) 歌詞に基づいていたことはあとがきを読んでから成る程…と思いました(笑) (2018年3月28日 11時) (レス) id: 1f2a7091f1 (このIDを非表示/違反報告)
闇雲(プロフ) - 完結おめでとうございます!もちろん新作の更新も楽しみですが、心はきっと救えるというお話も大好きなので是非更新待ってます( ; ; ) (2018年3月28日 9時) (レス) id: cfe197e7d9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - aimさん» 素敵な感想ありがとうございます( ;∀;)手越くんらしい生き方、手越くんらしい最期を意識して書いていたのでそんな風に言っていただけて本当に嬉しいです!読んでいただきありがとうございました(*´ー`*) (2018年3月28日 1時) (レス) id: 3a579bb468 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2018年3月23日 21時