せめて晴れた夜は

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(手越サイド)









「ちょっと痛いよ…声出してもいいけど、動かないでね」









『……ってぇ…っ…』









「…おっし、終わり！終わったよ〜」









『ねぇ、これさ、何とかなんないわけ？こんな痛いのよく俺何回も耐えてんな』









「こればっかりはしょうがないね…昔は大泣きしてたけど、今は泣かなくなったね〜エラいね〜！」









『…っば！やめろって！泣かねえよ16にもなって』









まっすーに無理やり処置室に連れてこられて、骨髄穿刺をされた









小さい頃から何度も経験してるけど、何度やってもこの痛みには慣れない









でも、いつもまっすーが優しく声をかけてくれたり、なるべく痛くないようにリラックスした雰囲気でやってくれるおかげでなんとか毎回耐えられてる









「わかってると思うけど、30分は動くなよ？」









『わかってるって！』









『…ねぇ、』









「ん？」









『これでさ、悪くなってたら、また、抗がん剤だよね？』









「…うん、まあ、そうだね…祐也の今の状態に1番合う薬にするからね。量とかも調節するし、副作用が心配？」









『いや、…抗がん剤なのかな〜って気になっただけ』









「いつも言ってるけど、祐也1人で闘うわけじゃないんだから。1人で背負いこむなよ」









何回目だろう、この言葉を掛けられたのは。









いつも俺が不安な顔をするとまっすーはこう言ってくれる









その度に、まっすーとなら頑張れる気がするんだよね

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