北君観察ノート【稲荷崎】

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宮君、私は帰りたかったよ。


｢先輩、この頃教室いませんよね？
どこいってるんですかっ？｣



あー、この質問…質問される答え考えてなかったさ



｢…あー、先生に質問とか行ってるかな〜｣


よくも、こんな嘘すぐ出るようになったな私


あははっ、人って本当に怖い。


｢そうなんですか？
あ、Aさんってよんでもええですか？｣



…最近の子のグイグイってくる感じすごいね


｢いや、大人気な宮君にそんなこと呼ばれたら私社会的に抹消されちゃう。｣



｢｢｢｢ぷっはは｣｣｣｣



え、え、なんか体育館に居る人にめっちゃ笑われてる？


あ、北くんもくすくす笑ってる


こういう時は豪快に笑わずに、くすくす笑うんだ。


かわいいかも。肩めっちゃ震えてるけども。


｢侑、Aさんは社会的に抹消されてしまうみたいやから、苗字でよんであげ？｣



｢でも、北さんも名前で呼びたないんですか？｣



｢そやなぁ、でも、Aさんが社会的に抹消されてしまうのは困るやろ？｣



うわぁ、こういう時意外とノリが良いのだねうん。


てか、この流れって断れない流れなのでは…！？



恐ろしい子だわ、北君



｢あ、えっと、｣


私の言葉に二人が注目してる。むしろ体育館全体が


｢まわりに、女の子とかいない時であれば全然構いませんよ。｣



｢ほんまー？！やった！Aさん！｣






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