私の心臓を撃ち抜いて【佐野万次郎】

15話 ページ17

「...どうしたの」





あの後、佐野さんに"お腹空いたから飯食べに行かない？"と言われて私もお腹空いてたし、佐野さんに助けてもらったお礼でご馳走できると思って行きますと答えた



...答えたんだけど





「そ、その...まさかこんな高級料理店に来るとは思ってなくて...」



「店変える？」



「い、いえ！」





もう料理も頼んじゃったし、今更お店変えますなんて言えない



ていうか気になってしょうがないんだけど他にお客さんいないような





「...傘、車に付いてるから帰る時に返す」



「ありがとうございますっ


捨ててもよかったのに...」



「...あと、この間話しあるって言ったやつなんだけど」





そういえば、話しがあるって言ってたっけ





「なんでしょう？」





佐野さんは、話すことを躊躇うかのように少し長く黙り込んでしまった



彼が話しを切り出すまで、私はじっと待つ





「... ..."マイキー"って、知ってる？」

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