No.10【もし主人公が死穢八斎會のメンバーだったら】１ ページ12
コツコツと長い廊下に反響する足音
人工的な光に照らされながら聳え立ついくつもの扉と分かれ道
そんな空間の一番奥にある部屋にノックをする
｢入ってもいい？｣
そう問いかければ案の定
｢おねーちゃん！！｣
｢やーん、えり！！｣
ぎゅぅうっと抱きついてくるのは、私のことを慕ってくれる可愛い存在。
そんな可愛い容姿に雰囲気を纏いながらも、身体中に巻かれた包帯の存在はやはり歪だ。
しかし、私に彼を止める力などない。だからこうして心も体も衰弱仕切ったえりの心の拠り所になるように私は日々奮闘している…というか、一種の逃げだ。決して逃れることの出来ない罪悪感からの。
しかしこれは抜き差しならないことなのだ。理解して。
｢おねーちゃん今日は何持ってきたの？｣
｢気になる？｣｢うん！｣
少しでも元気になれるようにいつも彼女が喜びそうなものを持ってくるのが私の日課だ。
｢今日はね、これよ！｣
私の握りしめるものに目が釘付けになるえり
可愛いなコノヤロー
｢リンゴが、光ってる？｣
コーティングされた飴が電気の光でキラキラと反射して光っていた。やっぱり、りんご飴を見るのも初めてなのだろう。
｢美味しいよ、少し硬いけどね｣
そう言って笑ったら、えりはヨダレを垂らしながら早く食べたいと急かす。
｢じゃぁこれ食べて元気だして、明日も頑張って乗り切ろう！｣
｢…わたし、頑張る｣
不安と、恐怖で混濁した目。いつも見るのは辛い。
でも私は彼が好きなのだ。
えりを選ぶか彼を選ぶかそんなの決めれない。
だから、中途半端なままだから結局どちらも傷付けてしまう。世界はいつだって残酷だ。
むしゃむしゃとりんご飴に食らいつくえりを横目に微笑む。この子は強い、けど脆い。
いつか貴方にも貴方だけのヒーローが現れることを信じて。
みごとに全てを食べ尽くし、刺さっていた割り箸だけとなったりんご飴。
｢じゃぁ、また明日迎えに来るから
…大好きよ、えり｣
そう言って抱きしめ部屋を出ていった。
自分の部屋に戻って彼に逢いに行く準備をする。
潔癖症の彼、気遣いは人の倍だ。
｢おっふろー｣
脱衣所で全てを脱ぎ、扉を開ける。シャワーを浴び、体を綺麗にしお湯へつかった。温かく心地よい湯加減に身を委ねると襲ってくるのは眠気だけ。
このまま眠ってしまえば、彼との約束をすっぽかし
てしまう。…考えただけでもおぞましい。
絶対怒る。そして次の日の私は使い物にならなくなる。想像しただけでも悪寒が…
そんな考えを辞めるために、お湯からあがり
シャワーから出てきた大量のお湯をてっぺんから思い切りかけた。
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マリイ - 治崎廻大好き (2022年3月22日 0時) (携帯から) (
レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
瑞林(プロフ) - 待ってちっちゃいオバホの破壊力ぅううぅ((吐血 本編の方も全部読ませていただきました！言葉の使い方が凄くキレイで、とてもステキな作品でした。これからも楽しみにしてます！ (2018年11月18日 16時) (レス) id: 49334a0dfb (このIDを非表示/違反報告)
シーくん(プロフ) - お久しぶりです！夏祭り編、面白かったです！ありがとうございました！これからも更新頑張ってください。応援してます (2018年11月16日 19時) (レス) id: bc76b4c2fc (このIDを非表示/違反報告)
縫針 - Ｎｏ10の続きが読みたいです！ (2018年10月13日 23時) (レス) id: 59eafcd1a4 (このIDを非表示/違反報告)
Ｎａｎ'ｓ - コメント、有り難うございます！満足していただけるような話が書けたかわかりませんが、これからもこの作品をよろしくお願いします！夜桜瑠奈様も、お体にお気を付けてください！ (2017年12月20日 23時) (レス) id: 93e099ae7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆっこ | 作成日時：2017年12月19日 19時
