【高生紳士】すれ違い【あたなる】 (ページ2)

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追憶ページ2

高生「愛しています。俺と、結婚してください」
『ほ、本当に？...もちろん！』
こんな幸せな日々がずっと続けばいいと思ってた
彼からプロポーズしてもらえたことが本当に嬉しくて、泣きながら喜んだ
でも、これは嘘。これも嘘。何もかもが嘘で幻想。
彼が私を操るために見せた幻想、幻覚、妄想の具現化

高生「結婚式、いつにします？」
『そうだね、六月の終わりとかどう？』
高生「いいですね。ジューンブライド、幸せになれそうです」
『そうでしょ？』
高生「はい、とっても」
『なら、早速準備しなきゃね！』
高生「僕も出来ることは何でもやりますから」
『うん、よろしく！』
高生「任せてください(ﾆｺｯ)」
この時はまだ幸せだった。
気づいていなかったから。
彼は詐欺師。
結婚を持ち掛けて金を騙し取るイカれた詐欺師。
私はターゲット。
彼からしたら開けるのがめんどくさい壊れかけの財布と同じ。
彼の言葉は雲より軽く、彼の態度は花びらより薄い
高生「Aさん！いつドレス決めに行きます？」
『ちょっと気が早くない？』
高生「だって楽しみなんですもん！早く見たいなー」
今思い返しても騙されそうになるほど彼の演技は完璧だった
私にとっての理想の男性がそこに居た

でも、それももうおしまい