最強女は普通でいい。３

ひゃくじゅういちわ！ ページ38

『船長さんも私なんて差し出せば良かったのに！』

「え？だって、明らかに人違いじゃねぇか。お嬢ちゃんには出来ねぇだろ？」

『…そうですね！』




良心がァァアアア！！！！
良心が痛いですキャプテンッッ！！！！！！

何とか取り繕った100点スマイルで言うと、「それに、」と続けた。



「お嬢ちゃんは俺たちの獲物だ」


『…！！』


「大海賊だかなんだか知らねぇが、俺の獲物を渡せと言われて渡すのは海賊としての名が廃るってもんだ…！」




おっ、お前…！！！！

馬鹿なくせに！馬鹿なくせに！！
一丁前に自分の美学貫いてやがる！！海賊としてのプライドを守り続けてやがる！！！



『ダメだ私この人のこと好きになる…！』



タイミングがタイミングならクルーにしてくれって頼んでたよ…！！




「…で、御嬢さん。アンタは、“その女”なのかい？」

『違います！仮にそうでも言わないですよ』




何考え込んでんの！？

違うって言ってんじゃん！！合ってるけど！！
見逃してよ！



「…とりあえず、アンタ、俺達の船に来てもらうよい」

『誘拐…！？こんなか弱いヤマトナデシコな私に…！』

「いや、多分お前は大和撫子ではないな」

『このっロリコンめッッッッ！！！！海軍本部に言いつけてやるッッ！！！！！』


私が髪型にどこか既視感があるパイナップルに言うともう1人のリーゼントがゲラゲラ笑ってた。

私が言うことではないけど仲間に対する優しさ持とうよ…



「お前…！！」

「アッ、痛い！蹴るなよ！」



蹴られてる…けど、めっちゃ慣れてますね？？
なにこれ、夫婦漫才？


『あ、そういう関係…？？凹凸的な…？』

「「違う！！！！」」


違ったらしい。






「女一人に傘下のやつが殺られたってのは俺達のメンツがないんだよい」


パイナップル頭が言う。
どうやら彼らの情報には、赤い長髪・女・黒い目の3つしかないらしい。

年齢あったら逃げれたのによォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！



「それにオヤジ…船長は、この船にいる女を連れてこい、と言ったんだよい。例の女かどうかは、こっちが決める」



なんでやねん。

オヤジさん、ちょっと横暴では？？？
海軍本部に訴えてやるッ！！



『私が行けば、この船に手は出さない？』

「あぁ」

『…行きます』

「それは良かった。俺たちも手荒な真似は、」

『招待したからにはそれなりのオモテナシを期待してますよー！！』

「図々しいなコイツ」


このように、私はお世話になった海賊団にお礼を言って、白ひげの船に乗った。

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