最強女は普通でいい。３

きゅうじゅうにわ！ ページ15

『最初にアイズ・Dって名前につけてたじゃん？？そのアイズってのがカレピの名前なんだよ。私がつけてあげたんだァ♡』

「こっち見てウィンクするな、殴り飛ばすぞ」

『いや〜、この辺でセンゴクの辛辣な言葉もらわねえと頭おかしくなると思って』




んで、“名前付けた”なんて言ったらもうなんとなく相手が裕福な感じじゃなかったのかなーって予想すると思うなど違うんだなァ




『結論言っちゃうと、アイツ、ワンチャン』

「…ワンチャン？？？？」

『ワンちゃんな、犬っころ』





アハハ、また空気が凍った。

センゴク・サカズキ・モリアとか、目がもう軽蔑を物語ってんのよ。




『一応、私の名誉のために言っておくが、ヒトヒトの実を食べてたから人間にもなれてたぞ』

「それ以前の問題だろうが」

「犬もいけんのかよ…」




『んー…ま、もう居ねえけど…』




意図せず口から溢れた言葉に苦笑いした。

あーあ、暗いなァ私。




『…で、話は少し変わるが、私が昔やらかしちゃった事件、知ってる？』

「色々ありすぎてわからん」

『何も言い返せねぇよ…ほら、天竜人の、』

「あぁ、大暴れしとったのう」

「前代未聞の、天竜人の家族５人を殺した事件のことか」

『………うん』




あァ、クソ、何から話そうか。

別に弱みになるつもりはねぇし、話したくないわけじゃない。
思い出したくないけれど、思い出さずにはいられない大切で楽しくて苦しい記憶。




『私さ、ロジャーのびょ、……ちょっと間違えた』

「？」



あっっっっっっっっぶねぇぇえええええええ！！！！！

ロジャーが病気でもう長くなくてだから自首したって流れ言うところだった！！！！
コイツら知らねえんだった！！セーフッ！！！！！





『悪い、ちょっと遡りすぎた。そうだな…ロジャー達との旅が終わるのが嫌で、私、途中で船を降りてんだ』

「そうだったな」

『海軍連中は知ってるか』





本当は病気治したくて一人で船を飛び出したんだけどな。




『で、その間にロジャーはラフテルに行ってなんなら人生の旅終えてたってわけ』

「誰がうまいこと言えと」

『アッハッハ！！まァ〜、そんな感じでさァ？悲しかったんだよ私』




興味深そうに頷くなよセンゴク、人の心ねぇのか。




『ご飯も食べる気にならねーし、人とも会いたくねーし、なんならもう生きている気力だってなかったんだ』

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