ろくじゅうごわ！【紅鶴】 ページ30
【ドフラミンゴ サイド】
ある島に、取り引きの話をした帰り、ふと、知った気配があったような気がした。
「…グラディウス」
「はい、若様」
「野暮用が出来た。先に戻ってろ」
「えっ？！………かしこまりました」
「心配するな。すぐに戻るさ」
「…はい」
空に糸を掛け、船から足を離して「帰りの船は任せたぞ」と、目標に向かって動き出した。
…フフ、“何にもなければ”すぐ戻るが、さて、どうだろうな。
＿＿＿＿＿＿Aが欲しい。
勿論、女としても、強さも、海賊王の船で旅をしていたというその経験や知識も。何もかもが魅力的だ。
だが、それ以上に俺を惹きつけるのは、あの目。
俺には分かる。
その目の奥に、拭っても眠っても忘れても消そうとしてもなくならない、暗い感情があることが。
世界の汚さを知って、それでも尚、愚直に前向きにポジティブに善性を信じて……なんてスバラシイことだろうな。
きっとそれができる奴もいるんだろう。どこかの誰かさんみたいに。
少なくとも俺はなるべくしてこうなった。
そして、Aは。
この世の全て知り、分かった上で、その怒りや憎しみを抱え、悲しみや自責の念を背負い笑っている。
まるで自分の心がさも健康的であるかのように。
不幸や理不尽など知らないかのように。
その危うさが、賢さが、傲慢さが、慎ましさが、冷酷さが。
全て好ましいと思った。
「！見つけた…！」
何もない海上で、ミホークが見知らぬ女を抱えて落下していた。
…あぁいうのが好みなのか。まァ、別に俺も嫌いじゃねェが。
「フッフッフッ！間一髪だな…！！」
「！…ドフラミンゴ」
おいおい、鷹の目ほどの男が近づく俺に全く気づかなかったってか？余程その女のことでいっぱいだったんだな？
「フフフ……んで、これ…Aか？」
俺はミホークじゃ無くて、A目当てで来たのに何で、お前とその女がいる。答えは分かりきっているが。
「…」
「お前の無言は肯定ととるぞ」
「…」
「フッフ…何してんだお前らは。コイツは…見たところ熱か…」
「それ以外に何がある」
「助けてやってんのに冷ェ奴だ」
とりあえず、近くの島に連れて行くのが先だな。
「…ホテルを借りるか」
「不潔だな貴様は…！」
「…なんだかんだで、お前が一番そういうの考、」
「斬る」
「悪かった悪かった」
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無礼物(プロフ) - なぎささん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてなによりです〜！続編の方は修正にまだ時間がかかりそうで、もう少しお時間いただきます…！申し訳ないです…！ (11月1日 18時) (
レス) id: 64341fbe5a (このIDを非表示/違反報告)
無礼物(プロフ) - trumpet423さん» ありがとうございます！！期待こたえれるようにがんばります！ (11月1日 18時) (レス) id: 64341fbe5a (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - 始めまして！ とても面白いです！！つい、一気見しちゃいました。 良ければ続編を見たいのでパスワードを教えていただけませんか？ (10月21日 9時) (レス) id: 9e4df9710a (このIDを非表示/違反報告)
trumpet423(プロフ) - 続編が楽しみです！修正されていなくても読みたいぐらい！！ (9月28日 9時) (レス) id: d5ce9d2109 (このIDを非表示/違反報告)
無礼物(プロフ) - カイさん» ご愛読ありがとうございます！すみません、続編はまだ修正中ですのでもう暫くお待ちください…！更新速度がゆっくりで申し訳ないです…！ (9月16日 1時) (レス) id: 64341fbe5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無礼物 | 作成日時：2018年1月5日 0時
