ろくじゅうきゅうわ！【鰐】 ページ34
【クロコダイル サイド】
“やっと二人きりだな”？？？？？
そんなことを言われる心当たりが何一つとしてないんだが。
『私さァ…思っ、たんだけど…』
「…」
今までのだるそうな話し方を気合いで直したのか、多少聞き取りやすい発声。
『お前さ、名前、で…呼んでくれねェの…』
あぁ。なるほどなァ…
『何でかは、知らねぇけど…寂しいじゃん…』
「馬鹿か、人には人の距離感ってもんがあるだろうが」
『えぇー…？』
薄ら笑いを浮かべながら拗ねたような顔をする。俺にその顔面攻撃が効くと思うなよ。
「テメェだって要所要所でキッチリ一線引いてるだろう？…まあ俺は、秘密があることが悪いとは言いやしねェよ」
『…』
「クハハ！何ちょっと驚いてんだ、自覚がないわけじゃあないんだろう？」
『っ…』
「壁作ってんのはテメェもだろ」
『ぅう…』
図星を疲れて分かりやすく顔を歪めるA。部屋に聴こえるのはコイツの呼吸とうーうーという唸り声だけになった。
自分が言われて困る事を言ってくるな。
『…だってぇ…』
「あ…？」
『私、最強だし…』
「…チッ…お前、」
お前らみたいな奴らは、皆んなそうだ。
勘違い甚だしいことを当然のことのようにペラペラほざきやがる。
誰もが羨むものを持って、そのくせ考えすぎて一人で勝手に苦しんでやがる。
気色悪い。
そう、言おうとした。
『私の選択は、行動は、発言は。余裕で世界を揺るがしかねない。怒りは島を滅ぼすし、悲しみは大波を生む。だからさ、心を制御しないといけねえわけよ。まあ線引きは必要だよな』
拗ねたような、甘えたような顔。
それでも、瞳だけは鋭くこちらを射抜いていた…ような気がする。
いつもよりいくらか我が強く、それでいて諦めているかのような声だった。まるで今までの全てが演技のように。
アイツの心からの想いだったからか、場の空気がそうさせたのか、はたまたアイツの視線のせいか。
少なくとも俺にはそう聞こえた。
「…」
『色々言っちゃ駄目なこと、知ってるし…』
「…」
『分かって欲しい訳じゃ…ねぇ、ってか、はぁぁ…、こんなコト、いいたかったんじゃ、…な』
「そんなもん、背負う義理があんのかよ」
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無礼物(プロフ) - なぎささん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてなによりです〜！続編の方は修正にまだ時間がかかりそうで、もう少しお時間いただきます…！申し訳ないです…！ (11月1日 18時) (
レス) id: 64341fbe5a (このIDを非表示/違反報告)
無礼物(プロフ) - trumpet423さん» ありがとうございます！！期待こたえれるようにがんばります！ (11月1日 18時) (レス) id: 64341fbe5a (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - 始めまして！ とても面白いです！！つい、一気見しちゃいました。 良ければ続編を見たいのでパスワードを教えていただけませんか？ (10月21日 9時) (レス) id: 9e4df9710a (このIDを非表示/違反報告)
trumpet423(プロフ) - 続編が楽しみです！修正されていなくても読みたいぐらい！！ (9月28日 9時) (レス) id: d5ce9d2109 (このIDを非表示/違反報告)
無礼物(プロフ) - カイさん» ご愛読ありがとうございます！すみません、続編はまだ修正中ですのでもう暫くお待ちください…！更新速度がゆっくりで申し訳ないです…！ (9月16日 1時) (レス) id: 64341fbe5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無礼物 | 作成日時：2018年1月5日 0時
