lie makes woman - 岩田剛典 -

２４. ページ25

、



啓「がんちゃんのこと、中途半端なままでいいの？」


A「中途半端って、」


啓「Aちゃん、その気にさせてんじゃねぇの？」


A「………、はぁ、」






ほんと、この人はいつまで経っても掴めない。



子供っぽいとこ見せといて、急にこれだもん。






啓「なぁんで こんな盛大な嘘をつくかなぁ」


A「そこまで大きくないでしょう」


啓「いいや、でかいね。でかすぎるよ？！」


A「……………、もう、しばらく恋はごめんなの」


啓「……、よく言うよ、ほんと」






あ〜、タバコ、捨てなきゃよかった。



彼と待ち合わせた少し前、

駅前のゴミ箱にライターごと捨てたのを

今になって後悔。






啓「まぁ、俺が言えたことじゃないけど？早いことどうにかしないと、ややこしいことになるだけだと思うよ？俺は」


A「巻き込まないでって、言ってるんです？」


啓「そりゃあね。面倒ごとは嫌いだよ、俺」


A「…………はぁ、」






もう、ため息しか出ないわ。



やっぱり、今 会うべきじゃなかったわね。






啓「Aちゃんさぁ、自分のことよくわかってるようで全然わかってないんじゃない？」


A「え？」


啓「自分の感情には鈍いの？それとも、わざと気づいてないフリしてんの？ずるくない？」






ほんと、






A「………、啓司さん。私たち、いつからそんなに仲良くなりました？」


啓「…、だって俺たち、” 恋人 ” でしょ？」






この人は






A「……、やな男」


啓「最高の褒め言葉だね」

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