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剛「Aさんは俺みたいな軟派野郎嫌いでしょ」


A「……、そうよ。よくわかったね」






口角だけを上げる、妖艶な笑み。



その瞳の奥を見透かしてやろうとするのに、

バリア貼っちゃって、全く見えない。






剛「ねぇ、」






だったら、こっちから仕掛けるしかねぇ。






剛「なんであの日、泣いてたの?」


A「…、」


剛「チャペルで、泣いてたよね」


A「…っ、」






ああ、そう。



やっぱりここがツボか。






剛「Aさん、でしょ?あの日あのチャペルで泣いてたの」


A「……っ、そうよ…」






喉に引っかかる彼女の声。



動揺を隠しきれない。






剛「あの後の披露宴、途中で逃げたでしょ。花嫁さんが泣き叫んでたのをBGMに」


A「…っ、」


剛「衣装にイタズラするなんて、すごいことしたよね」






あの日、チャペルで泣いていた彼女が

ずっと気になって、ずっと目で追ってた。



そしたら、披露宴で突然花嫁さんが泣きだして、

みんなパニックになってる中、

彼女は静かに席を立った。



満足そうな、でもどこか不安げな表情で。






A「あんなちょっとのことで、あそこまで泣き叫ぶ?普通。自分はもっとゲッスいことしたのよ。それに比べればあんなもの、屁でもないわ」






動揺も一転、すぐに冷静を取り戻した彼女が

冷めきった声で告げた。






剛「奪われたんだ、お婿さん。あの女に」


A「ええ。私、本当に彼のこと好きだったのよ。だから、仕返し。最高の日を最悪な日にしてやったの」






そんな嫌な笑みでさえ、俺の胸を高鳴らせた。

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- 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 1.のここの台詞 『たかの… これ電話の途中で切れちゃったから台詞が途中になっているんですかね? (2022年3月2日 0時) (レス) @page2 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
- こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜分遅くにいきなりすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 オープニングのここの部分 俺は周りに少し騒がれながらもに座っていた。 これ椅子が抜けてませんか? (2022年3月2日 0時) (レス) @page1 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
lovekusu(プロフ) - ヤバい…デス…久しぶりにヤバい感じです。がんちゃん推しなので、更新待ってます!色々大変でしょうが、スフィンクスさん好きですよ。 (2017年2月21日 22時) (レス) id: 1a2f52ac65 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - すごくおもしろいですね!このお話にはまりました笑更新頑張ってください (2016年12月26日 14時) (レス) id: 81ef5a65e6 (このIDを非表示/違反報告)
りん - とってもおもしろいです!! 更新がんばって下さい!楽しみにしています! (2016年12月19日 23時) (携帯から) (レス) id: b12524bc32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スフィンクス | 作成日時:2016年12月18日 23時

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