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14. ページ15





剛「Aさん!」


A「がんちゃん?」






あれ、何やってんだろ俺。



Aさんが部屋を出てからすぐに、

ぼんやりとしていた俺の足が動いた。



それぞれ紙袋を開けて

歓喜の声を上げていたメンバーを一瞥もせずに、

無意識に動いて、無意識に彼女を呼び止めていた。






剛「あの、」


A「ん?」


剛「連絡…、もっとしてもいいかな?」






何言ってんだろ、俺。






A「…………、いいよ。笑」


剛「…っ、」






ああ、これじゃあまるで。



この間手を引くって、決めたのに。






A「元々あんまりメールとか得意じゃないから、そんなに面白いことは送れないけど。あと、仕事に没頭しちゃうと2日ぐらい返事ないこともあるよ」


剛「全然大丈夫っす!」


A「わかった。じゃあ、待ってる」






優しい声色だったと思う。



挑発気味にゆるくカーブを描いた口元とは対照的な

優しい声。






剛「今から啓司さんのところ?」


A「ううん。これは今からHIROさんのところ」


剛「HIROさん…?」


A「パーティの日にHIROさんが着ていたジャケット、うちのジャケットだから。笑」


剛「えっ!どおりでイカしてると…」






確かに、あの日HIROさんが着ていたジャケットは、

あちらこちらでお褒めの言葉をいただく

すげぇ良いジャケットだった。



まるで、彼のためだけにデザインされたかのように

本当によく似合っていて、いい作品だった。






A「今日私がみんなに渡したのも、絶対気にいるから」






自信満々なその表情。



彼女の凜とした雰囲気は、

その気高さと自意識の高さが作り出しているんだと

そう感じる。






A「着たら写メ送ってね〜」






意外にもネイルのされていない、

それでも綺麗な指を振りながら、

彼女はその場を後にした。



香水はふらない、柔軟剤の優しい香りが、

彼女の見た目とのギャップ。

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- 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 1.のここの台詞 『たかの… これ電話の途中で切れちゃったから台詞が途中になっているんですかね? (2022年3月2日 0時) (レス) @page2 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
- こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜分遅くにいきなりすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 オープニングのここの部分 俺は周りに少し騒がれながらもに座っていた。 これ椅子が抜けてませんか? (2022年3月2日 0時) (レス) @page1 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
lovekusu(プロフ) - ヤバい…デス…久しぶりにヤバい感じです。がんちゃん推しなので、更新待ってます!色々大変でしょうが、スフィンクスさん好きですよ。 (2017年2月21日 22時) (レス) id: 1a2f52ac65 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - すごくおもしろいですね!このお話にはまりました笑更新頑張ってください (2016年12月26日 14時) (レス) id: 81ef5a65e6 (このIDを非表示/違反報告)
りん - とってもおもしろいです!! 更新がんばって下さい!楽しみにしています! (2016年12月19日 23時) (携帯から) (レス) id: b12524bc32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スフィンクス | 作成日時:2016年12月18日 23時

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