lie makes woman - 岩田剛典 -

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A「こんにちは」


人「お！Aちゃん！」


A「お疲れ様です。新作ができたのでお持ちしました」


人「おー！！」






彼女が次に事務所に現れたのは一ヶ月後だった。



ツアーも始まったというのに、彼女は一度も

会場にもリハや会議にも参加しなかった。



連絡は二回だけ。



パーティの後

洋服楽しみにしてますっていう旨の一回と、

今度いつ事務所にいるかっていう一回。






A「岩田さんと登坂さんにもお作りする予定だったんですけど、暇だったんで七人分新しいのデザインしちゃいました。どうぞ」


剛「特別感が全くなくなった」


A「拗ねないでよね」


剛「拗ねてねぇし」






話したことすらないという

メンバー四人分まで紙袋を手渡す彼女。



今日はストリートファッション。






人「もしかしてAちゃんの今日のコーデ…」


A「全部自分でデザインしたもので、うちの売り物です」


E「めっちゃイケてますね」


A「あ、キャップだけ ELVIRA ですね」






元々顔立ちがハッキリしているのだろう。



ナチュラルなメイクだというのに、

フェロモンがダダ漏れだ。






A「じゃあ私、行きますね」


人「ゆっくりして行きなよ〜」


A「まだ用事が残ってるので」






そう言った彼女の手の中にはもう一つの紙袋が。



ああ、きっと……






A「絶対みなさんに気に入っていただけますので。それでは」






俺は自信満々の顔で口角を上げた彼女が去った後を

ぼんやりと眺めていた。

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