あなたの我儘を聞かせて (ページ9)

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出港に向けてページ9

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「ねぇ、A」

『ウタどうしたの？』

「A一緒に船に乗るの……？」

『“一時的”によ
第一わたしは海賊なんて興味無いもの』

「なんでなんで！？
シャンクスあんなにかっこいいのに？！」

ウタは２色混合の髪をぴょんぴょんと動かし
プクッと頬を膨らませた

「なんだ？俺の話か！」

反対にシャンクスは嬉しそうにAの方へと
駆け寄ってくる

『執拗い男は嫌われるわよ』

「シャンクスがかっこいいって話をしてたの！」

「ほぉぉ…どんな所がかっこいいと思うんだ？」

『私を見ないで、ウタがそう言っていただけよ』

「シャンクスはね！！ううん
海賊はせかいでいちばんかっこいいんだから！！！

それなのにAは海賊に興味が無いって！
ほんとおかしいと思わない？！」

「おー、そうかそうか！
ウタは海賊が好きなんだな？」

「うん！！だってわたしは
“赤髪海賊団の音楽家ウタ”だよ！」

『…あら、音楽家だったの』

「Aに聞かせてやるか？」

「うん！！」

ウタは深呼吸をし楽しそうに目を瞑る

「ーっ…

この風はどこから来たのと〜♪

問いかけても空は何も言わない〜♪

この歌はどこへ辿り着くの〜♪

見つけたいよ自分だけの答え……」

バタッ……

気持ちよさそうに歌っていたウタは突然
眠れるように倒れてしまった

「…驚かないんだな」

『能力者なのは最初から気づいていたよ
愚かね、一体どこで悪魔の実を口にしたのかしら』

「Aがレイリーさんに似ていて良かった」

『あら？父に似ていなかったら好きじゃなかった？』

「〜〜〜っ！！そういう訳じゃねェ！
ど、どんなAでも好きだ」

『ん〜っ、私もよ』

ギュッ

シャンクスはAの手を包み込んだ