嘘つき ページ38
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海軍はまさか東の海に赤髪海賊団がいるとは思わなかった
のか辺りに海軍はおらず一日半程でフーシャ村へと
着くことが出来た
問題はここからだった
ルフィは目をキラキラ輝かせながらレッドフォース号へと
近づいてきた
誰も【今回の冒険】について教えてはくれなかった
「あれ？なんだよ。
いいよ、ウタに聞くから！！
また冒険の自慢話、聞いてやるよ！
どこだよ、ウター！」
いつもは一番最初に船から降りてルフィに報告するウタが
いつになっても現れないからかルフィは顔を曇らせた
『流石に…心が痛いわ
こんな純粋な子に嘘をつくなんて、』
「海賊に嘘は付きモン…だろ
今更何言ってんだよ
行くぞ」
『…ごめんなさい そうよね、行きましょう』
シャンクスはAの手を繋ぐと船から降りた
「あ！シャンクス！A！
ウタはどこに行ったの？」
『ちょっと…』
シャンクスは進む足を止めた
「もしかして…ウタに何かあったのか…？！」
繋いでいない左手でルフィの頭に手をやる
「心配するな、ルフィ。
ウタはな、歌手になるために船を降りた
ただ…それだけだ」
「えっ、うそ、だろっ……
どぉうしてだよぉおっ…」
別れも言えないそんな事実にルフィは大きな涙を零した
『ルフィ……』
Aが歩み寄ろうとした時ルフィはシャンクスの手を
薙ぎ払った
「アイツシャンクスの事だいすきだったぞ！！
なのに船を降りる訳ない゛ｯ！！！
なんかあったんだろォｯ！！！」
シャンクスは表情を悟られないように少し上を向いた
「応えろよ！！シャンクス！！
ううっうっうっう……」
ボコボコと小さな手でシャンクスを殴る
やっと、顔を上げたと思えば泣きじゃくった顔で
こういった
「もう、絶好だァァァッ！！！
うわぁぁぁっ！！」
『…ル、シャンクス…』
「追いかけるな、成長過程の一つだ…」
嘘よ、嘘つき
貴方だって悲しんでるじゃない
心に悪い嘘はつかないで、貴方らしくない。
嘘が全てじゃないの…
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作者名：冬乃 | 作成日時：2022年10月4日 13時
