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Aちゃんを引き止める事に成功して10分。何度目かの、会話がぴたりと止まったタイミングで真っ暗なままのテレビを見つめていたAちゃんが俺の肩に小さな頭を傾けてきた。
ちょっと待って。ちょっと待って。俺いましぬほど心臓うるさいんだけど聞こえてないかなこれ。っていうかやる事可愛すぎん？むりむり可愛い。
どうしよう、頭なでたりとかしたほうがいいのかな、と自分でもよくわからない事を考えていると、Aちゃんがコーヒーを飲むために少し離れる。
肩に残ったぬくもりに少しだけ寂しさを感じたけれど、早々とコーヒーを飲み終えたAちゃんはマグカップをローテーブルの上に置いて、また俺に寄りかかってきた。
「なんか、れんくんといると落ち着くなぁ」
ひとり言のようにぽつりと呟いたAちゃん。
なんかこの一連の流れが慣れてるように感じたんだけど…気のせいだろうか。
「メンバーたちといるときもね、たまにこうやって肩かりるんだけどね」
目黒「あぁ…なるほど」
「れんくんが一番安心する気がする」
一瞬だけ湧いて出てきた黒い気持ちはすぐに消えた。たしかに家で動画を見ていたとき、Aちゃんは特にメンバーさんたちに猫みたいにすり寄っている場面が多かったから。
目黒「俺もね、最近Aちゃんといるのがすげー楽しい」
「…本当？うれしいなぁ」
目黒「あ、信じてないでしょ」
「そんなことないよ…？信じてる！」
ぱっと顔をあげて俺の目を見つめるAちゃん。思ったより、2人の距離は近い。
あ、いま、ちゅーできそう。
考えるよりも先に俺の左手はAちゃんの頬を捉えていた。……けど。
まだ、まだだめだ。もっとゆっくり。ゆっくり少しずつ、確実にAちゃんを俺のものにしたい。
「れんくん、？」
名前を呼ばれた瞬間理性が押しつぶされそうになったけど、俺はなんとか耐えて不安そうな顔をするAちゃんをぎゅっと抱きしめた。
＿＿＿＿＿＿＿＿
お星さまが赤くなっているように見えるのですが気のせいですか？そうですか。(本当に本当にありがとうございます皆さまのおかげでリンはがんばれます大好きですㅠㅠ♡)
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作者名：リン | 作成日時：2022年8月5日 6時
