△15 アツい風評被害 ページ16
覚悟を決めて、甘味処へと足を伸ばした。
凄惨な事件があったんだ、ひとが近づけないような工夫がされていた。わたしは掻い潜っていった。ここは立地がいいから、そのうち成金に買いつけられる。
下着、羽織り、貯金箱……わずかばかりの私物を風呂敷につめこんでいく。涙は出なかった。
お世話になったその場所に、「ありがとう」って他人行儀につぶやいて、コッソリ出ていった。
△▽
「Aじゃないの」
げ。
むかし、彼氏がわたしに乗りかえられた子……そのときの恨みで突っかかってくる……が、めいっぱいオシャレをして立っていた。
一方わたしの着物は、じいちゃん家で働くから実用性重視だし、洗っても落ちない泥があちこちについていた。
つまり全っ然かわいくない。
自然、わたしは自分の着物を隠すみたいに縮こまった。迷惑女の顔が、満足そうに歪む。
「ひとりだけ生き残ってよかったね。どこ行ったかと思えば、男とたのしそうに歩いてるのを見れて安心した」
首の後ろにじっとりと変な汗をかいてる。
善逸のところにいたから、こんなに嫌な気分にされるのは、ひさしぶりだった。
「ここ使ってたぶらかしたんでしょ?」
するりと股のあいだに膝が差しこまれた。
そのまま力まかせに擦られる。
きもちわるい。
「アンタは媚びるのが得意だもんね。
そうやって誰かに依存して生きて死ねばいい」
「まあ、わたし、かわいいからさ」
「……は?」
「せっかく生まれもったもの使って何が悪い。わたしのがかわいく生まれたからって、何でそんなこと言われなきゃなんねえんだよ」
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なーこ - ほんっとにこのお話大好きです!!定期的に読みたくなってまた読みに来ました!!!!最高です!!どの作品よりも好きです!こんな素晴らしい作品を作って下さりありがとうございます!!! (2022年12月12日 20時) (レス) @page47 id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
めがね - この作品何回読んでも何回もときめくから不思議だと思います。好きです (2022年10月18日 1時) (レス) @page47 id: cb7157b0f2 (このIDを非表示/違反報告)
クロイルカ - あっ、_:(´ཀ`」 ∠):グハッ (2022年8月25日 17時) (レス) @page47 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
カノカノ(*´∀`*) - 元々、鬼滅の刃の作品はあまり、見ないけど、私が見てきたなかで、1番好きです!他の作品なども、頑張って下さい! (2021年4月10日 15時) (レス) id: fb067314f3 (このIDを非表示/違反報告)
Links - はーーーい!499を500にした(いちおー)女の子のLinksちゃんだお☆........すいませんふざけました。とってもいい話ですね!僕は感動しました。それで感動しまくって発狂してたら親に煩いと怒られました(笑)他の作品も楽しみにしています! (2020年5月7日 0時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:間宮 | 作成日時:2020年2月16日 19時