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三十八 ページ39

side 伊野尾

八「伊野ちゃん、帰らねぇの?」

薮「どうせ、大ちゃんのこと気にしてんだろ?
山田が今頃慰めてるんじゃない?」

八「薮!」

伊「いいよ、光
本当の事だし」

高「伊野尾くん...」

((トン トン

薮「...はい、」

((ガチャ

知「あの...」

知念?

知「ごめんなさい!」

八「どうした?」

知「僕、伊野ちゃんが大貴のこと好きなの知らなくて...
涼介と大貴くっ付けようとかずっと...」

伊「いや、別に知念が謝ることじゃないでしょ
まず、知られてたら俺が困るし」

知「でも...」

伊「でもも何も無い、それに、知念が手引きしなくても山田は大ちゃんに近づいてたよ
もしかしたら俺たたの知らない所で会ってたかもしれない
それ考えたら全然いいよ」

知「...分かった」

伊「このこと、このこと、ほかの人には言わないでね
俺の問題だから」

知「うん」

薮「...知念、帰るぞ
高木も」

高「はーい
また明日ね、伊野尾くん、光くん」

八「おう!」

((バタン

八「...強くなったな、お前」

伊「なってないよ
なってないから告白できないんだよ
山田が大ちゃんのこと好きなのはすぐ気づいた
大ちゃんが山田の優しさに触れる前に告っちゃえば可能性があったんだ
...でも、今の関係が崩れるのが嫌だった
俺は臆病なままだよ」

八「お前は強いよ
強いから大ちゃんへの感情を認められたんだ
昔のお前じゃ誤魔化すだけだっただろ?」

伊「...ありがとう、光」

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作者名:MOA 橙 | 作成日時:2018年8月15日 14時

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