ポケモントレーナーの文豪トリップ物語 ニンフィア！

74話｢――守れなかった｣ ページ38

｢何、金なら出す。それにそいつ等専用の部屋も作ってやろう。無論、お前にもそれなりのもてなしはするさ｣
｢嫌だ。断る｣
｢そうか？ウチなら大概のものは用意できるし、いくらはしゃいで騒いだところでなんの問題もない。ただ他の構成員達がすこーし五月蝿く思うだけさ｣
｢そんなことは関係ない。それより何より、うちの子たちのことを“そいつ等”って呼んだことが許せないの。アンタにとってはどうでもいいことだと思う
でもさ。私にとって、この子達は命にも変えていいと思える存在。貴方も、そんな存在をそいつ呼ばわりされたらどう思う？どうする？
嫌よね。殺したくなるよね。それと同じ。残念ながら今の私の貴方への好感度は極低よ｣
｢…そうか｣
｢ただ…貴方が行動する原動力に関しては、共感する。寧ろ応援してあげたいくらい。まあ、こんな関係だからできないけどね｣

フィッツさんにだけ聞こえるように話し、笑いかける。

｢何故…君は一体、どこまで知っているというのだね…？｣
｢…私が知ることが出来る(原作が進んでいる)ところまでしか知らないよ｣

そのまま私は何も言わず、部屋を出る。
フィッツはなんか言いたそうにしてたけどめちゃくちゃ無視してやった←
あ、念の為言っとくけど私フィッツ嫌いじゃないからね？ただ高身長イケメン金持ちってことに少し、いやかなり悪戯心(？)が働いて毒舌マシーンが稼働しただけだよ(？？？)
皆がいる部屋に戻ると、ナオミと鏡花ちゃんがやってきた

｢話終わりましたの？｣
｢終わったよん｣
｢…どうだった？｣
｢私の毒舌マシーンが、稼働しちゃったね☆
しかも軽く暴走した☆｣
｢ああ…｣

ちょっと待って。ナオミ、その｢ああ…｣はどういう意味だ!?
最早フィッツに同情しとるやろおまん。さっきまであやつに怒ってたやろ。
なんてこと考えてたらフィッツとその他約二名が帰るということで賢治くんが見送りに行く。

疲れた…あんなに喋るの久しぶりかもな…てかよくあんな喋れたな我？
…あれ、なんか忘れてる気が……



…賢治くん？

やばっ、なんで忘れてたんだ私！

｢やばい…！｣

エレベーターは当然使われてるので階段を猛ダッシュ(※50ｍ9秒代後半)する。
しかし一階についた時は時既に遅し。そこは組合の後ろ姿と賢治くんの帽子が見えるだけであった。

｢クソ…ッ｣

判ってたのに……はあ、判ってて行動できずに守れなかったのは…これで二回目だな…

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