君のゆめ 【T.K】

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メイクアップアーティストとして活躍する。








芸能事務所で面接を受けてみた。








採用結果が来たときは滝のように涙がでるほど嬉しかった。







でも本当の現場はやっぱり大変で、辞めたくなった時があるというのも嘘ではない。







それでも楽しかった。








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初めて所属タレントの担当を任せてもらえることになった。





どんな人なんだろうな。








どんな風によく魅せれるか私の腕次第だし、緊張と好奇心が混ざり合った。








でもまさか…









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「…久しぶり…やな？」








『…本当に、ね？』








他のメンバー達とも軽い自己紹介を済ませたあと、拓実に別室に連れ出された。








『…夢、叶えたんだ。拓実。』






「あ、まあ、いろいろ大変やったけどなー…」








「…Aはどうなん？」





『え』





「いや、ほら、今日から俺らのメイクさんやって言うてたけど、これがAのやりたいことなん？」






『うん、あ、そうやで…。メイクアップアーティストになろうかなって…？』







「…そっか。」







久しぶりで、ちょっと気まずい雰囲気がなかなか抜け出せない。







「…なんで、あんまり会えへんかったんやろな？」






『…さあ、なんでやろね…？』







お互い苦笑しながら疑問をあげる。






避けていたなんて言えないし。







『拓実、忙しかったんちゃう？』





「まあ、ちょっとな…？」









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「でも、めっちゃ嬉しい。」








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口角をキュッとあげて笑う。







昔から変わってない。






その笑顔。








「今日からまた会えるんやろ？嬉しいな？」







やばい。やめてよ。そんなこというの。







絶対顔が赤くなってると思って俯く。






「ん、なに…照れてる…？」






『…照れてへん！！』








その悪戯っ子な笑顔もあの時から拓実は何ひとつ変わってなかった。








だから









また好きになってしまいそうだなんて。

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