兎と仔犬 (ページ33)

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祝！成人ページ33

※Aちゃんが成人した時のお話です。

いつものようにAの家のソファでゴロゴロしていると、反対に家主は慌ただしく歩き回っている。

恐る恐る寝室に行くと、キャリーバッグを広げて、中に服や化粧品などを詰め込んでいた。

JK「え、どっか行くの？」

「明日日本に帰るから。って、言ってなかったっけ？」

日本に帰る…？
聞いてないけど！！！！

V「Aー！！準備進んでる？あら。まだできてないみたいだね」

JH「パスポートは持った？」

「はい！」

RM「はい。これは俺たちから。ご両親によろしく伝えておいてね」

「わぁ！ありがとうございます！」

JN「楽しみだね～成人式！着物着るんでしょ？」

ヒョンの一言で思い出した。

1月に成人式に出るから帰国するって言ってたっけ。

ヒョン達の横に並んでAのスマホを除くと、花柄の黄色い着物の写真が写っていた。

これをAが着る…？楽しみすぎる。

「振袖っていうんですけど、母も成人式の時に着たやつなんです。楽しみだな～久しぶりに家族全員揃うし、友達にも会えるし！中学の同窓会もあるんですよ」

SG「酒飲みすぎるなよ」

Aは酒に強い。でも、酔うと人懐っこさに拍車がかかって男女構わずボディータッチはするし、とろんとした顔でじーっと見てくるしで…

なかなかやばい。

酒の勢いで…なんてことないよな！？あれ、元カレって中学の同級生だっけ？

それからヒョン達は帰って、俺も手伝ってやっとAのパッキングが終わった。

滞在期間は1週間。あれ、こんなに会わないの何年ぶりだろう？

「成人式の時につけるピアス、何にしよう」

ピアスねぇ…

あ！良いこと思いついた！

ダッシュで自分の部屋に戻ると、自分の持ってるピアスを漁る。

どれもゴツいけど…
あ、これなら大丈夫だろ

JK「これ！これ貸してあげる」

束縛するわけじゃないけど少しでも俺のこと思い出してくれたら嬉しいし、Aの大切な時に側にいてやれないから….

俺の分身を…みたいな？

「ありがと」

あー、これから俺たちは大人になってくんだなー。
とにかく、ずっとこいつと一緒にいたい。どんな形になるかはわからないけど…

JK「A、おめでとう」

後日、Aから振袖姿の写真が送られてきた。

耳には俺のピアス。

最高に綺麗だった。