兎と仔犬 (ページ4)

今日:36 hit、昨日:8 hit、合計:478,357 hit

4 ページ4

JH side

JH「A、遅れてるよ。もっと大きく動いて着いてこないと」

「はい！」

Aが俺たちの倍大きく動かなければならなくて、体力の消耗が激しいのはわかる。

でも、より良いステージにするためには妥協できない。

RM「ちょっと休憩しよう」

V「ふぅ～やばい、疲れたぁ…」

激しいダンス。
男の俺たちでもクタクタだ。

そんな中、スポーツドリンクを数口飲むと再び鏡に向かったA。

あー…スイッチ入ったな。

負けず嫌い。

一度スイッチが入ると周りが見えなくなって、限界まで動き続ける。

その限界が自分でもコントロールできれば良いんだけど……

前はよく動きすぎて過呼吸になったり、ふらふらになったりしていた。

倒れたこともあったっけ。

もうそろそろ止めるか。

JK「A、ちょっとこれ見て」

「待って、今振り確認してるから」

JK「今すぐ見て欲しいの。ほら」

「うわぁ、わかったから、引っ張んないで」

ジョングクは強引にAの腕を引っ張って隣に座らせる。

JK「なぁ、この服どう思う？」

「かっこいいじゃん。グクに似合いそう」

JK「まじで？買っちゃおうかな～色は…」

「黒かな」

JK「やっぱり？」

目が鋭くなっていたAの顔が、少し柔らかくなる。

グクは俺と同じ考えだったんじゃないかな。

少し強引だったけど(笑)

大抵、こうやって俺かジョングクがAの暴走を止める。

今回はグクが成功したみたいだけど、次の日の朝は違ったみたい。

JH「あれ、A呼びに行ったんじゃないの？」

JK「もう事務所行ったみたいです。部屋にいなかった…」

まったく…

まだ出発時間まで2時間近くあるけど、急いで用意して事務所に向かう。

一応ナムジュンだけに伝えておいた。他のメンバーに伝えたら着いてくると煩くなるだろうから…

JH「いたいた。朝早くから頑張るね～どこわかんないの？」

「昨日の所です」

すでに汗だくのA。昨日は帰りが遅かったから、たいして寝てないんだろうな…

何回か振りを確認していくと、素直なAはあっという間にコツを掴んで上達していた。

教えがいがあるやつだ。

「オッパのおかげです！」

まるでしっぽをブンブン振ってる仔犬のような笑顔で見つめてくるA。

食べ損ねた朝ごはんの存在なんて忘れてしまった。

俺も1日頑張れそう。