兎と仔犬 (ページ28)

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JN side

JK「Aがいない…」

リハーサルを終え、本番に向けて楽屋で待機しているとジョングクがそんなことを言いだした。

JM「トイレにでも行ったんじゃない？」

JK「そうかな…」

ジョングクはいつもAの側にいる。

隣にいないと落ち着かないみたいだ。

同い年だし話も合うんだろうけど、たまに思うんだよね。

Aに依存しすぎなんじゃないかって。

もちろんAもジョングクの事を信頼しているし必要としている。

2人の関係は？

そう聞かれたら、何と答えよう。

メンバー、友達、家族、同志………

どれもぴったり当てはまる。

これから先この2人の関係に新しく名前がつくのだろうか。

どう考えても、ジョングクはAの事が好きだ。

それが恋愛感情なのかわからないけど。

家族、メンバー、友達として……

Aの事が大切でしかたがないって感じだ。

だけど、俺はそこらへんがわからないんだよな～

ジョングクの本心が………

JN「あれ、ジョングクは？」

RM「ヒョンがぼーっとしている間にA探しに行ったよ。少しくらいほっておいても大丈夫だと思うんだけどね…」

2人の関係にリーダーも思うところがあるらしい。

バンッ

RM「こらー！静かに入って来なさい！！」

「すみません！！！」

V「どうした？なに怒ってんの？」

「うーテヒョニオッパ…」

何かに怒っているAがテヒョンの隣に座って、頭を抱えながら一生懸命イライラを抑えている。

遅れて入ってきたジョングクは何とも言えない表情だ。

俺の隣に座るとテヒョンに頭を撫でてもらっているAを見て「なんだよ」とイラついている。

またケンカか………

JN「A呼びに行ったんじゃなかったの？喧嘩して帰ってくるとは(笑)」

JK「A…友達いないのは俺のせいだって言うんです」

そう言うと苦虫を噛んだかのように眉間に皺をよせた。

なんか想像できるな…
Aが誰かに話しかけられてたんだろ。連絡先聞かれてたか、遊びに誘われてたか…

JN「そうだなー…俺たちAに寄ってくる人、追っぱらいすぎたか？」

笑い混じりに言ったが、ジョングクの表情は厳しいままだ。

JK「そうでもしないと…もうAが傷つくのは見たくない」

まだあの事で自分を責めているのか。