兎と仔犬 (ページ21)

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『Aさ…みんなから遅れてるのわかってる？目立つよ。甘えないでくれる？これだから女は…』

「………すみません。もう一回お願いします！」

パフォーマンスの練習中。

いつもに増して激しい振り付け。
息を整える間も無く変わるフォーメーションに身体はくたくた。
付いて行くのにやっとだ。

それを見逃さない、今回付いてくれている振付師の先生。

指摘されて当たり前なんだけど、「女だから」って言うのは余計な一言なんじゃないかと苛立つ。

そんなこと思ってるつもりもないし！！

JK「A…気にするな」

「何が？」

JK「ヒョンが言ってたろ」

「大丈夫。気にしてないから」

JK「でも…」

「大丈夫だって」

JK「……わかった」

心配してくれたジョングク。
ここで、素直に甘えれば良いんだけど、プライドが邪魔をして素っ気ない返事になってしまった。

私だってわかってる。
自分の実力がまだまだな事を………

こう言う時、オッパ達は優しく声をかけてくれる。
今だって視線を感じるし…

でも、今その優しさに甘えてしまったら涙が止まらなくなっちゃいそうで、練習が終わるとそそくさと練習室を出た。

「あ、マネオッパ！！私もこの後練習室残ってきます！！でも、ナムオッパ達には言わないで？シャワーゆっくり浴びてくから先帰っててって伝えておいて？」

マネ「えー…もう十分だろ。今日は帰ろ？」

「もうちょっとで感覚掴めそうなの。お願いします。ね？ナムオッパ達にはに言ったら絶対怒られるから！お願い！！」

マネ「もー！！わかったよ！1時間だけな？」

「ありがと！！」

よし、絶対あの振付師、見返してやる…！！！