混ぜたらなにいろ？ (×in) (ページ38)

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「っ、これはちょっとぶつけちゃって……」

「これがちょっとぶつけたで済まされるわけないだろ？！」

この後に及んで嘘をつく伊野尾くんにイライラが募り思わず大声をあげる。近くの席に座っていた人に見られてしまい、居心地が悪そうにしているがもうそんなことに構っていられない。

「……伊野尾くん、行くよ。」

「え、待ってどこに……これから授業だし……」

「こんな状況でのんびり講義受けれるわけないだろ。……いいから着いてきて。」

「いっ、やだ！！……っごめんなさい、やっ……！」

そう言っても中々動こうとしない伊野尾くんの腕をひこうと思い掴むと、思いっきり振りほどかれ思わず固まる。
振りほどいた伊野尾くんはカタカタと震えて顔を青くして、ハッとしたように「ごめんなさい」と言い頭を守るように腕を上にあげた。

「っごめん、痛くしないから。……お願い、着いてきて。」

そのあまりにも怯えた様子が痛々しいすぎて、苦しい。これ以上怖がらせては逆効果だと思い彼に触れないままそうお願いすると、諦めたように頷き、静かに着いてきてくれた。