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彼女、雪宮Aは鬼殺隊でも注目されている隊士であり、
正に努力の天才 そのものだった。
それに加えて容姿端麗、人当たりも良く愛嬌がある彼女に対して
憧れを抱く者もいれば、妹のように大切に思う者もいる。
そして、好意を抱く者も 少なくなかった。
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「初めて会ったあの日から、俺は貴方に惹かれていました」
任務の帰り道、不意に1人の隊士に 話があると声をかけられ人気が少ないところまで移動すれば、そんな事を告げられた。
Aにとって、こんな状況は珍しいことではなかった。
鬼殺隊になってから何度かAに想いを告げる隊士は居たが、未だにこんな風に告げられる事に、Aは慣れることができていない。
無論、想い人が居るAがその気持ちを受け取った事など一度も無かった。
『…ありがとうございます、でも、ごめんなさい。』
「……俺じゃ駄目ですか。俺じゃ釣り合わないでしょうか。」
『い、いえ、釣り合わないとかそういうわけではなくて…』
「では何故ですか…!俺はずっと……貴方に救われた日からずっと、ずっと貴方の事を考えています。
どうか……傍に居させてはくれないでしょうか……?」
『お気持ちはすごく嬉しいです……でも、ごめんなさい。』
「ごめんなさいだけでは納得できません…何故ですか」
なかなか引き下がらない隊士に、Aは少し困った表情を浮かべる。
何故、と言われても Aの頭に思い浮かぶのは自分の想い人。
しかし、Aは自分が信用する隊士以外には、決して時透を慕っているという事を言わなかった。
そんな噂が広まってしまえば、時透にまで迷惑をかけてしまう可能性がある。
それだけは何としてでも避けたかったのだ。
どうすれば受け入れてくれるだろうか。
必死に頭で考える。
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『……私は、っ、』
口を開こうとした瞬間、目の前にいる隊士に強い力で腕を掴まれたAは酷く困惑し、言葉を発する事ができなかった。
「……やはり、本当なのですか、貴方に……想い人がいるという話は」
『な、…違います、私は』
「誰なんですか……貴方が考えているのは、鬼殺隊ですか?名はなんと言うのです」
『っ離してください』
「俺の質問にお答えください!!!」
掴まれた腕が酷く痛み顔を歪める。
なんともまぁ、強引な人なのだろうか。
一刻も早く目の前の相手から離れたくて仕方がなかった。
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むいむい - こちらの続編、素直になれないにも程があるが読めません。 (4月10日 14時) (レス) id: 5e364bf0e0 (このIDを非表示/違反報告)
三月の専属ストーカーなつめみく - うあ、すきだぁ…。むねがきゅってなった…! (10月20日 16時) (レス) @page50 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - お疲れ様でした!!!完結してしまうのは寂しいですが新作も楽しみにしております!!絶対見ます!!! (7月22日 20時) (レス) @page49 id: e6271faca4 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - お疲れ様でした!更新されるのが毎回楽しみで完結しちゃうのがすごく寂しいです😭このお話が大好きです!新作楽しみにしてます☺️ (7月22日 16時) (レス) id: 2d55ef8bd0 (このIDを非表示/違反報告)
koto。。。(プロフ) - お疲れ様です!完結しちゃったのは寂しい部分もありますが、凄く面白かったです!良かったらですけど、番外編?みたいなのを作ってほしいです!最後までドキドキしました!😍 (7月22日 16時) (レス) @page49 id: a5fd6f2b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠乃 | 作成日時:2023年6月4日 23時