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「今日のAさんいつにも増して凄いな…」
「うんうん…いつ見ても見惚れちゃうよね」
「凄いよなぁ…まだ若いのに」
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「…でもなんか、気の所為かな、
表情というか、雰囲気というか…いつもより少し怖い気が…」
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気の所為ではなかった。
炭治郎が言ったあの一言を聞いた翌日
Aは鎹鴉から苦戦する隊士を援護するよう命令を受けた。
彼女が戦う姿は誰が見ても本当に美しいもので
あんなに華奢な身体にも関わらず、先陣切って鬼を次々と斬ってしまう彼女に、初見の隊士は必ずと言って良いほど目を奪われてしまうのだ
しかし今日はAの様子に違和感を感じる隊士が少なからず居た。
Aは心中穏やかでは無かった。
勿論原因は先日炭治郎が発した一言だ。
あの後、炭治郎に詳しく聞けば良かったものの
怖くて聞くことができないままで居たAは
その事が頭から離れないまま、ただただ無心に、八つ当たりをするように目の前の鬼を次々と斬って居て
気づけば苦戦していた戦況が一変し、あんなに沢山居た鬼も一人残らず殲滅してしまっていた。
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伊「A」
『!伊黒様、鬼は…』
伊「…もう居ない。お前が斬ったんだろう」
『え』
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Aと同じく、援護するよう命令があった伊黒にとって
彼女がいつもと様子が違うのは一目瞭然で
そしてその原因が、時透に関する事という事も大方予想はついていた。
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伊「先陣切って鬼を殲滅する姿は相変わらず見事だったが
戦闘中に考え事は感心しないな。」
『!すみません…』
伊「…時透と何かあったのか」
『…〜〜っ伊黒様ぁ…!!」
「「!?」」
伊黒の言葉に、不安が募りに募ったAはとうとう涙が溢れ出る
先程まで鬼を次々と斬っていた少女とは思えないその姿に遠くに居た隊士は驚いていた。
歳の割にはいつも大人びている様子の彼女が、伊黒の名前を呼びながら泣きじゃくる姿を初めて見たのだ
対して伊黒は慣れた手つきで彼女をあやす様に頭を撫でた
Aと時透を傍で見守っているのは伊黒も同じで
甘露寺から二人の話を聞いているうちに気にかけるようになったのだ
元々、Aの事を妹のように思っていた伊黒は
普段は言葉にしないものの、幸せになって欲しいという気持ちは皆と同じだった
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伊「…目を擦るな、赤くなる」
『っはい…』
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むいむい - こちらの続編、素直になれないにも程があるが読めません。 (4月10日 14時) (レス) id: 5e364bf0e0 (このIDを非表示/違反報告)
三月の専属ストーカーなつめみく - うあ、すきだぁ…。むねがきゅってなった…! (10月20日 16時) (レス) @page50 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - お疲れ様でした!!!完結してしまうのは寂しいですが新作も楽しみにしております!!絶対見ます!!! (7月22日 20時) (レス) @page49 id: e6271faca4 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - お疲れ様でした!更新されるのが毎回楽しみで完結しちゃうのがすごく寂しいです😭このお話が大好きです!新作楽しみにしてます☺️ (7月22日 16時) (レス) id: 2d55ef8bd0 (このIDを非表示/違反報告)
koto。。。(プロフ) - お疲れ様です!完結しちゃったのは寂しい部分もありますが、凄く面白かったです!良かったらですけど、番外編?みたいなのを作ってほしいです!最後までドキドキしました!😍 (7月22日 16時) (レス) @page49 id: a5fd6f2b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠乃 | 作成日時:2023年6月4日 23時