Pain

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小山side









しげの家を飛び出したはいいものの、




どこに向かえばいいかわからなかった。






ずっと一緒に住んでたのに




最近のAが行きそうなところがわからない。







どれだけ自分がAを放っておいてしまったか





今更ながら気がついた。









途方に暮れていたら









雨が降り出した。









当たりを見渡せば







同じ傘に肩を寄せ合って雨を凌ぐカップルが


目に入る。









ーーーーーーーーーーーーー








「あ、雨降ってきちゃった」


俺の傘をさして、Aの肩を引き寄せて

ふたりで入る



『アイアイ傘〜』





俺の腕にぎゅっと抱きついて微笑むA



君の肩が濡れないよう、傘を君の方へ傾ける



『けーちゃんが濡れちゃうからだめっ』




そう言って傘を俺の方に傾ける

だから俺は君が届かないように傘を上に上げて君の方へ傾ける。


『もお！届かないよ！！』




「残念でした！おチビさん♪」








ーーーーーーーーーーーーーーー



俺の隣を通り過ぎたカップルが

ふたりで笑い合っていたあの頃の


俺たちに被って見えた。









あの笑顔を奪ったのは、俺なのに…。








俺のうえに降り注ぐ雨は



俺が我慢させていた分の君の涙のような気がして。





その雨に紛れて





俺の涙も


地面へと落ちていった。









すると、








俺の真下に落ちる雫が







俺の涙だけになった。





『けい…ちゃん？』

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