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旅立ち ページ12

Aside


他の事務所に行くことを伝えた


何も言葉を発しない、時計が秒針を刻む音だけが聞こえる


目を合わせないまま、、動き出す


彼達が去っていく後ろ姿をただ眺めるだけの私


ただ、歩いていく彼達はまるで


これから先の別れた道を行く、未来を表しているようで


こんな状況じゃ、呆れて何も言わなくなるか


なんて1人で考えてみるけれど


ジソンをエレベーターに乗せて


彼だけが戻ってくる、え、戻ってくるのか


逆に気まずくて目線を足元に下ろす


「他に言うことは?」ああ、悲しい声が聞こえる


なんて言えばいい?


どうして他のとこに行くのか


どうして言わないでいた、伝えるべき?


彼にはこれから進むべき道があるのだから


これは私の中での勝手なエゴだから


もう、、とのことだけを伝えればいい、あとはもう何も言わない


それ以上の重たくてめんどくさい気持ちを持っているの


彼の優しくて温かい気持ちにまた触れてしまったら?


黙って、自分の靴のつま先を見つめるしかない


帽子をかぶっていてよかったと思う


今更決心が揺らいで来てしまった、涙もじわじわと出てくる


「今日の話したかったことって、このこと?」


と小さな声が聞こえるので頷く


「ずっと前から考えてた?」その答えには何も反応できない


「この事務所じゃ不満?」そんなことはない、と首を振る


ここにいるから、ここで過ごせたからこそ今の私が存在している


「俺のこと、、」急に黙る彼、、ゆっくり見上げると


ふっと息を吐いて、「もう好きじゃない?」


絞り出すような声に心臓を掴まれているような感覚になる


目が合う2秒だっただろうか、目を見れなくてまた俯く


私は出会った時から、、、彼の顔を見て、ゆっくり頷く


そっか、と聞こえて彼の目の色がスッと黒くなった気がした


決心が揺らぎそうで目を逸らすと、彼の足音が消えていった

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作者名:りほ | 作成日時:2023年5月30日 22時

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