猫かぶりは得意です 2【2j3j】 (ページ11)

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ですが、少女は泣き喚くことしか出来ませんでした。
皮肉にも少女はその時初めてその男のことを「お父さん」と呼んだのでした。

「お父さん、お父さん、死なないで、ヤダ、死なないで」

そう言いながら泣き喚く少女を男はどうにかして逃がしたくて、最後の力を振り絞ってこう言いました。

「＿＿、ゲームをしよう。僕が宝物を隠したからそれを見つけなさい。…ほら行くんだ、っ早く！！！！」

男は家を出る前に申し訳程度にも満たない少女への最初で最後の愛情を押し入れに隠していたのです。それを見つけなさいと。少女は最初は首を横に振りました。でも、その男の剣幕に驚きそして恐怖し震えながらその場を走って飛び出しました。
もしかしたら、それを見つければその男が助かるかもしれないだなんてあるはずのない小さな小さな希望を胸にしながら。
男の狙いは少女をこの場から逃がすこと。部屋を出ていった少女を見送った男は自身の携帯電話を鳴らし警察へと通報しました。

少女は無事男の隠した宝物を見つけましたがもちろん現状が回復するわけなくソレを片手に少女はその現場を見て絶望するしかありませんでした。
女はたくさんの大人に押さえられ捕まっており男は水色の服の人達に囲まれていました。そして、女は逮捕され男は死に少女は保護となりました。
それからというもの少女は自分の命を呪いました。自分がいなければこんなことにはならなかったのだと。
あの日、あの時母親が発したあの言葉がずっと頭に残ってこびりついて離れてはくれなかったのです。

　
「私はこんなにあなたを愛しているのになのに私から逃げるの！？こいつが悪いの！？全部全部お前が生まれたから……！！！」

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ご無沙汰しております。
この度活動を始めて1年が経ちました。
長いようで短い期間でしたが読者の皆様がいたからこそだと思います。
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