94話 ページ46
『あれ、今夜は荷物持ってきたの?』
「こうしたら明日も時間ギリギリまで一緒にいれるかなと思って」
少しでも長くいたいと思ってくれるのは嬉しいけど、こうさらっと言われると照れる
「どうかした?」
『ううん、なんでもない』
寝る前にこうして話すのも今日が最期か…
「明日から仕事?」
『明日は休みだけど引っ越しの荷物まとめないと。とりあえず服とかだけ持って、家具は明日見に行く予定』
「じゃ、ベッドは大きいのにしてね。やっぱり2人で寝るにはシングルじゃ狭いからさ」
『えー、お母さんも一緒に買いに行くのになんて言えばいいの?』
「そこは上手いこと言ってよ(笑)」
セミダブルなら怪しまれないかな?
なんて言おうか考えていると、結弦は隣でごそごそ鞄を漁っていた
「はい。これ、あげる。開けてみて」
渡されたのは両手にのるくらいの小さな巾着袋
手のひらに出してみると、色は違うけど結弦がつけているような天然石のブレスレットだった
「これがタンザナイト、おれの誕生石。隣のがアクアマリンで…」
『わたしの誕生石だよね?』
「そう。他のはこの紙に書いてあるから、もしよかったら意味とか調べてみて。ちなみに恋愛運はバッチリにしといた(笑)」
つけてあげると言ってわたしの手からブレスレットを奪うと左手を取り手首に通される
そのしぐさに既視感を感じ、考えていると数日前の朝の事を思い出す
『もしかしてあの時腕触ったのってこの為?』
「あっ、バレた(笑) …キスマークじゃ消えちゃうし、かといって指輪じゃAの仕事に支障が出そうじゃん。これならお揃いになるでしょ? おれもタンザナイトとアクアマリン隣に並べたんだ」
そう言って自分のブレスレットを見せてくれた
『嬉しいけど貰っちゃっていいの?』
「いいよ。クリスマスも誕生日も何もできなかったし」
『それならわたしだって何もあげてないじゃん。結弦は何か欲しいものないの?』
「おれ? んー、じゃ1つお願いがあるんだけど…」
『お願い? 言ってみて』
「ソチで金メダル取ったら、今回のアイスショーみたいにコラボしてほしい」
『大ちゃんみたいにって事?』
「うん。いい?」
『いいよ。それじゃ、わたしももっと頑張らないとダメだね。今以上の歌手にならないと結弦が恥ずかしい思いしちゃうもんね(笑)』
「おれも絶対もっと強くなるから。2人で最高のアイスショーやるために頑張ろう」
小指を絡ませ約束を交わし、最後の甘い夜を過ごした
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ぷに子(プロフ) - はらさん» 再度のご指摘ありがとうございます。移行した時にチェックがついたまま更新してしまいました。今後このような事が無いように気をつけたいと思います。 (2018年6月9日 13時) (レス) id: 89aaf95143 (このIDを非表示/違反報告)
はら - 前回も注意させて頂きましたが貴方は違反行為をしているという意識がないように思います。次は違反報告しますので (2018年6月9日 12時) (レス) id: 4e99e45b45 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい違反行為です。ルールをちゃんと理解の上作品を作って下さい (2018年6月9日 12時) (レス) id: 4e99e45b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆづ子 | 作成日時:2018年6月9日 9時