君の声【２】

86話 ページ38

午後からの練習に備えて早めに楽屋に戻り、発声練習をする
うん、大丈夫そう
オープニング曲を口ずさみながら楽屋内をうろうろ歩く


スケーターが練習を終えたの楽屋の外から話し声が聞こえてくる
ノックの音が聞こえたのでドアを開ければ結弦がいた

「A、お昼一緒に食べよう」

『ごめん、練習の準備したいから先に食べちゃった』

「えぇー」

しゅんと肩を落とす結弦を見てかわいいと思ったけど堪えた

『でも準備終わったし少しなら一緒にいれるよ』

「じゃ、あっちの控え室いこ」

廊下を結弦と歩いてると後ろから結弦を呼ぶ声が聞こえた
やってくるのは１人の外国人スケーター、ハビエル・フェルナンデス選手だ

2人は英語で話し始める
英会話1ヶ月通ったけど聞き取るのはなかなか難しい
せっかくだからもう少し英会話習おうかな

「A、話した事あったでしょ？ 彼がリンクメイトのハビエル。ハビ、彼女は…」

ハビエル選手にわたしの事を紹介しようとしてくれる結弦の腕を引いて止め、英語で挨拶してみた

《初めまして、A Aです。2週間よろしくお願いします。ゆっくり話してくれれば少しだけど英語で話せます》

発音大丈夫だったかな？

〈A、よろしくね。僕の事はハビって呼んで。ところでAが結弦の彼女なの？〉

〈そうだよ〉

〈A、知ってる？ 結弦ってばAから連絡あった時すっごく嬉しそうなんだよ〉

えっ、そうなの？
結弦を見れば恥ずかしそうな顔をして余計な事言うなよなんて話してる

〈結弦がいない時に普段の様子教えてあげるね〉

またね〜と手を降りながらハビは行ってしまった
話しながらまた歩き出す

「A、英語話せたんだね」

『このお仕事決まってから勉強したの。でも結弦とハビの会話早くて聞き取れなかった』

「まぁ、慣れだよね」

慣れかぁ
ハビと結弦について話してたら勉強になりそうな気がする

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