91話 ページ43
少し早めに練習を切り上げた結弦はドカッと隣に座り汗を拭く
なんとなく姿勢を正して話し出すのを待つ
「…試合前だったから黙ってたんでしょ？ あっこちゃんから聞いた」
『黙っててゴメン。試合に集中してほしくて…』
「隠された方が怪しいでしょ。もしかしてOKした？」
『そんな訳ないじゃない! …付き合ってる人がいるからって…ちゃんと断ったもん』
涙で結弦の顔が滲んで見える
「…ふはっ、ゴメン、いじめすぎた(笑)」
『へっ!?』
笑いながら溢れた涙を拭ってくれる結弦は怒ってるように見えなかった
騙されたと分かると今度はわたしに怒りが湧いてくる
『ひどい、騙すなんて!』
「黙ってたAが悪い。…Aがおれを選んでくれるのは信じてるけど、やっぱりそばにいる男のがいいっていつ言われるか不安なわけ」
『…そばにいる人がいいなら最初から結弦と付き合ったりしない。わたしが好きなのは結弦だよ。それにわたしだって不安な事ぐらいあるし…』
「そうなの？ なに？」
『わたしはスケートできないし、詳しい訳でもないから、そういう子の方が結弦にはいいんじゃないかなとか…、色々考えちゃう』
「……Aのバカ」
ひどい言われように驚いていると結弦は額と額をくっつけて話し始める
「なんておれもバカだよね。Aの不安な気持ちに全然気づかなかった。スケートができなくても歌手として頑張ってるAが好きだよ。それにさ…」
そこまで言うと結弦はエッジカバーを外し、わたしの手を引いて歩き出す
リンク際まで来ると突然わたしを横抱きしてそのまま氷にのった
『わっ、お、おろして』
「暴れたら落ちるから。首に手まわして」
首に手をまわすとゆっくりリンクを滑り始める
「それにさスケートできなくてもこうすれば一緒に楽しめるよね。…おれたちさお互いに遠慮しすぎてたかも。離れてるからこそちゃんと言葉にしないとダメだなって思った」
『うん…、寂しいとか声が聞きたいとか言っちゃいけないって思って頑張りすぎてたかも』
「これからおれはオリンピックシーズンだし、Aも仕事が大変な時期になるけど電話もたくさんしよ」
『LINEもいいけど、文字だけじゃ伝わりにくいもんね』
「とにかくお互い遠慮はしないで思ってる事は言うこと。わかった？」
『はーい』
「じゃ、この話はおしまい。でも黙ってた事はお仕置きはしないとね」
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ぷに子(プロフ) - はらさん» 再度のご指摘ありがとうございます。移行した時にチェックがついたまま更新してしまいました。今後このような事が無いように気をつけたいと思います。 (2018年6月9日 13時) (
レス) id: 89aaf95143 (このIDを非表示/違反報告)
はら - 前回も注意させて頂きましたが貴方は違反行為をしているという意識がないように思います。次は違反報告しますので (2018年6月9日 12時) (レス) id: 4e99e45b45 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい違反行為です。ルールをちゃんと理解の上作品を作って下さい (2018年6月9日 12時) (レス) id: 4e99e45b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆづ子 | 作成日時：2018年6月9日 9時
