君の声【２】

89話 ページ41

翌日、予定ではこのまま次の公演会場まで移動するはずだったんだけど1度事務所へよることになった

昨日顔出ししてから有難い事にお仕事の依頼がすごいらしい
仕事内容を確認しつつスケジュールを決めていくんだけど…

音楽番組や音楽雑誌の仕事がくるのは分かるけど、どうしてファッション誌から依頼がくるんだろ
飛鳥さんに聞いてみれば、あきれた顔をして大きなため息が出る

「自覚ないのが不思議だけど、Aは顔もスタイルも抜群なの。モデルに起用したい雑誌はいくらでもあるよ。現にCM出演依頼もきてるし」

『モデルとか無理ですから』

「とりあえず音楽番組出てTVの収録に慣れてもらわないと。細かい説明はホテルでするから行こうか」



夜、わたしの部屋で飛鳥さんとお仕事のスケジュールなどを確認中
飛鳥さんは椅子に座り、わたしは向かい合うようにベッドの端に腰かける
わたしの後ろにはイヤホンをつけてゲームをする結弦

「こんな感じだけど…なんか気になることある？」

『なかなかハードですね』

「今は注目されてるからどのTV局もよんでくれるけど、その先はAの頑張り次第だよ。じゃ、明日は9時にロビー集合ね」

『お疲れ様でした』

もらった資料を確認していると後ろから腕が伸びて1枚の紙を手にする

「A、引っ越すの？」

結弦が見ているのは部屋の間取り図

『実家からじゃ移動が大変だからね。しばらくはお母さんが一緒に住んでくれるみたい。事務所も都内に移すんだって』

「じゃあさ落ち着いたらでいいから日本に戻ってきた時泊まってもいい？」

『いいよ。楽しみにしてるね』

「おれも楽しみ」

と、そこへピンポーンとチャイムがなる
飛鳥さんかな？

ドアを開ければやっぱり飛鳥さんで

「結弦くんいるよって言ったんだけど…」

ドアの影から佳菜子とあっこちゃんが飛び出してきた

「「遊びにきたよ〜」」

部屋に通せばさっそく結弦と佳菜子が言い合ってる
止めようとすると、あっこちゃんが

「ゆづ、Aちゃんといたいのは分かるけど、私たちもAちゃんとお話したいの。今日だけいいかな？」

「わかった。また明日ね、おやすみ」

と言って結弦は部屋を出ていった

『あっこちゃん、スゴいね。結弦があんなに素直なの初めて見たかも』

「任せてよ」

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