君の声【２】

53話 ページ5

月曜日、教室に入るなり「昨日見たよー」「ピアノ上手なんだね」とかたくさん声をかけられた

葵たちの所へ行っても同じだった

友1「A、ドレス似合ってた」

友2「めっちゃ笑顔で弾いてたじゃん」

葵「プル様に涙拭ってもらうなんて羨ましい」

葵に関してはアイスショーの感想じゃないよね

葵「それより羽生選手とすごい仲よくなったんだね？ 一緒に映ってるの多かったし」

友1「写真撮ってたみたいだけど見たいな？ 無理にとは言わないけど…」

仲いい友達だけならいいか
スマホを操作してアイスショーの写真フォルダを開いてから葵に渡した

1つ1つ見ながら3人であーだこーだ話してたけど、急に黙りこんだ
なんだろなーと思い覗けば、本番直前に結弦くんと撮ったツーショット写真で、衣装が写るよう全身入れて佳菜子に撮ってもらったものだ

葵「なんだ、この2次元スタイルは？」

『結弦くん、顔小さいし細身ですごくスタイルいいよね』

3人「Aもだよ!」

『わたし？ ドレスのおかげじゃない？ ハイウエストで切り替えだし、足が全く見えないんだもん』

葵「(相変わらず自分がスタイル抜群美少女って自覚なしなのね) 続き見るねー」

そう言ってまた見始めた
1時間目は数学か〜
確か小テストやるって言ってたっけ？
結弦くんに教えてもらったから少し自信あるんだよね

って、また止まってる
覗きこもうとしたら、ものすごい勢いで画面をむけてきた
写ってたのは控え室で佳菜子に撮られたあの写真

友1「完全にカレカノの写真でしょ!?」

友2「そういえばハグしてた時も頭ぽんぽんされてたよね!?」

葵「夏休み明けてから、さらにかわいく見えたのは恋したからなんでしょ!?」

『ちっ、ちがうから。あっ、先生来たから返して』

葵の手からスマホを奪い席へ向かう
さっきまでの3人の様子じゃ今日は1日中聞かれるんだろうなと思った

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