7話 ページ8
そのあと結弦くんはそっとわたしから離れた
まだ涙は止まらなくて、いつの間にか握りしめていたタオルを渡す
『結弦くん、これ使って』
「……ありがと」
「ふぅ、なんかごめんね。いきなり泣いたらびっくりだよね。実は俺さ……」
落ち着いたのか涙のわけを話そうとした時
「A〜。そろそろ帰るよ〜。」
飛鳥さんが入り口から声をかける
『えっ!? はーい、今行きます。ゴメンね、結弦くん、わたし行かなきゃ』
「…そっか。ねぇ、連絡先交換したいんだけど、ダメ?」
首をコテンと傾げながら聞いてくる結弦くん
かわいすぎなんだけど…ホントに男子高校生なの?
バッグから名刺とペンを取り出し裏にアドレスと携帯番号を書く
「Aちゃん、名刺持ってんの?」
『ちょっとね。はいコレ。電話は夜しか繋がらないかも(笑) メールも遅くなるけど絶対返信するからいつでも送って』
「俺も練習あるから電話でれないと思うしお互い様だね。あとでメールするから登録して」
名刺を渡してから飛鳥さんのもとへ行く
「じゃ、皆さんお疲れのところお邪魔しました。これで失礼します」
『今日は素晴らしいショーでとても楽しかったです。ありがとうございました。』
控え室を出るとき結弦くんが小さく手を振ってくれてる事に気づくと、口パクで
「(バイバイ)」
と言ってくれたので、同じように手を振りながら
『(バイバイ)』
と返して控え室をあとにした
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
帰りの車内は飛鳥さんと今日の感想を話してた
「結弦くんとずいぶん話してたね」
『そうですね。やっぱり同い年だし話しやすかったかも。それに同い年だからすでに大勢の人の前で活躍してるの見ちゃうと刺激になりますね。』
「結弦くんの目、赤かったけどなんかあったの?」
『あ〜、まぁ色々と(笑)』
あっ、タオル忘れてきちゃった
結弦くんならちゃんと持っててくれるかな?
『飛鳥さ〜ん、またアイスショー来たいんですけどチケットってどう取るんですか?』
「今年はもう取れないんじゃないかな。またノブにお願いしてあげるよ。夏休みならいつでもいいよね。」
えぇー、いいのかなぁ
なんかノブくんごめんなさい(笑)
129人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はら - 実在する人物のお名前を借りる二次創作になるのならオリジナルフラグは外して下さいね。違反行為になります (2018年5月10日 9時) (レス) id: b67bdd910f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆづ子 | 作成日時:2018年5月10日 8時