君の声【１】 (ページ48)

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47話ページ48

昨日と同じようにスタンバイする

暗い会場に目を向けると昨日までは感じられなかった、たくさんの人の気配
見せるわたしたちだけじゃなく見る観客も一緒に楽しむんだ
そう思えばワクワクしてきた

MCの声が会場に響き開演を知らせる
音楽がなり始めれば観客が手拍子してくれる
滑っているスケーターを見ればみんな楽しそうだ
アイスショーはスケーターが主役だから誰もわたしを見てなくても笑顔で弾こうと思った

オープニングの群舞も終わったので１度バックステージに戻りモニター越しにアイスショーを見ることができた

もちろん結弦くんのプログラムもちゃんと見た
すごく簡単そうに飛んで見えるけどまわりの人に聞けば冒頭のジャンプは4回転だったみたいだし、次の3回転も難しい入りかたと聞いた

結弦くんは名前の通り羽が生えているみたいに軽やかに滑っていく
最後は笑顔で観客にお辞儀して戻ってくる

さて、わたしももうすぐプルシェンコさんとのコラボのプログラムだ
ステージ裏で出番がくるのを静かに待っていた

スタッフに促されスタンバイする
MCがコールするとプルシェンコさんとステージにライトが当たる
プルシェンコさんが頷いたら弾き始める合図だ

弾いてる間は夢中になりすぎたのかよく覚えてないけど、笑顔で楽しくそして気持ちよく弾くことができた
プルシェンコさんはわたしにもお辞儀をしてくれたのでわたしも立ってお辞儀と拍手を返してからステージを去った

そのあと何人か演技を見ればもうフィナーレの時間が来てしまった
群舞も終わりステージ上でアーティストみんなでお疲れさま～と声を掛け合う

全員で観客にむけてお辞儀をしてからステージを下がる
バックステージではそこら中で労りの声が聞こえたり、ハグをしている姿が見えた