君の声【１】 (ページ47)

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46話ページ47

控え室に戻りいつも人気で初めて座る3人がけソファーに並んで座って話をしてたんだけど、昨夜寝れなかったのと答えが見つかってほっとしたせいか眠気が襲ってきた

「眠い？」

クスクス笑いながら問われる
あくび堪えながら昨夜寝ていないことを告げる

「まだ時間あるし寝たら？本番までもたないよ」

『…そう…するね』

返事と同時に意識は途絶えた

カシャッという音で意識が浮上する
目を開ければぼんやりと誠司くんの姿が見えた

「Aちゃん、起きた？」

誠司くんの奥でわちゃわちゃしてる佳菜子とノブくんが見えたけど寝起きで頭が働かない

「朝もお昼も食べてないでしょ？おにぎり買ってきたから結弦くんと食べて」

隣を見れば手をグーにして両目を擦っている結弦くんがいた

「俺も寝ちゃってたみたい」

ふにゃって笑いながら体を伸ばしてる

おにぎりを食べ終わった後もみんなで話してたけどそろそろ準備の時間なので移動する事にした

ヘアメイクをしてもらいに女性シンガーの楽屋を訪ねる
鏡の前に座りどんな感じにしたいか聞かれたけど特にないのでお任せでやってもらうことにした

髪型は両サイドを白いリボンと一緒に編み込んでからアップにしてもらった
メイクもいつもの自分とは全然違くて何度も鏡を見てしまった

着替えも終わり開演30分前
そろそろお客さんも入ってる頃だろう
緊張でそわそわしてると昨日と同じように佳菜子が寄ってくる

「A、写真撮ろ。ほら、笑顔、笑顔」

お互いのスマホで何枚か撮ってると後ろから結弦くんとノブくんも写ってくる

「ちょっとゆづもノブくんも邪魔しないで!!」

「えーやん、みんなでとろーや。そうや、佳菜、いつもの変顔、Aちゃんに見せたろ？」

そう言って佳菜子とノブくんの変顔を向けられたけど、あまりの全力ぶりにあっけに取られる

『えっ、えっ、佳菜子もノブくんも顔ヤバいよ!?』

「佳菜、女捨てるなよ(笑)」

「まだ捨ててない!! 佳菜は何事にも全力を出してるだけだし」

そのあともスタッフから声がかかるまで他のスケーターさん達ともたくさん写真を撮った

もうすぐ開演という事で円陣が組まれる

「3,2,1のあと・・・・って言うんだよ」

結弦くんがこっそり教えてくれた

「3,2,1」

「「「「『Let's enjoy it』」」」」