君の声【１】 (ページ19)

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18話ページ19

アイスショーの会場まで電車で２時間くらいだった
手ぶらってわけにもいかないので差し入れと、ノブくん用にお菓子を用意して関係者入り口へ向かう

まわりにファンの方がいないか確認してから結弦くんに電話すると中から開けてくれた

「久しぶり～。今日はありがとうね」

『３ヶ月ぶりだね。電話したりしてたからあんまり久しぶり感ないけど(笑)』

「確かにね。Aちゃん、それなに？」

結弦くんがわたしの持っていた紙袋を指差しながら聞いてくる

『あっ、お菓子なんだけどよかったら皆さんで食べて。こっちはノブくんに、無理なお願いさせちゃったから』

「気つかわせちゃってゴメン。あとでちゃんといただくから。重いでしょ？貸して」

そう言って荷物を持ってくれたとき、結弦くんの手が触れてドキッとした

『…ありがと。……あれ？』

改めて顔を見上げると目線がこないだと違う

「ん？どしたの？」

『結弦くん、身長伸びたの？』

「あー、靴はいてるからじゃない？」

足元を見るとスケート靴を見せてくれる

『よく歩けるね～』

「もう慣れちゃったから」

話ながら結弦くんについていくと突然大きな声が聞こえてビックリする

「あ～、キノコが女の子連れてる～!?」

キノコ？

声がした方を見ると同い年くらいの女の子とノブくんがいた

思わず足を止めた私たちをよそに２人は近づいてくる