12話 ページ13
「で、スケート見てどうだった?」
結弦くんと同じ事を聞いてくるし
『結弦くんにも言ったんだけど、結弦くんがどんなプログラムだったか分かんないの』
「はぁっ、本人にそんな事言ったの?」
『だって次から次へとジャンプやスピンして終わったと思ったらまた違う人のが始まるんだもん。見るのに一生懸命で名前と顔なんて覚えられないよ』
「なんてもったいない事を…」
『でもみんなすごい楽しそうに滑ってて、笑顔がすごくキラキラしてて見てるだけで元気になれたって伝えたよ。』
「よかった〜、色々大変だったけどちゃんと練習できてんだ」
『色々って?』
「羽生選手って仙台出身なの。震災で被災したんだよ。」
『えっ!?』
それから葵は結弦くんの事を話してくれた
練習中に被災してホームリンクが使えなくなってしまったこと
避難所生活を余儀なくされたこと
今は神奈川を拠点にしていること
だからあの時泣いてしまったんだろうか?
わたしの一言で結弦くんを傷つけてしまったのかもしれない
『大変だったんだね…』
「でもわたしみたいなファンは羽生選手が笑顔で滑れてる事がすごくうれしい。応援したいって思わせてくれる人だよね」
『そうだね。わたしもいい刺激になったよ。同い年ですでにお客さんの前に出てるって分かったら“負けない”って思った』
「Aも高校生のうちにデビューできたらいいね」
『そうなりたいけどなったら色々と大変そうだよね。とりあえず午後の授業が睡魔との闘いかな(笑)』
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はら - 実在する人物のお名前を借りる二次創作になるのならオリジナルフラグは外して下さいね。違反行為になります (2018年5月10日 9時) (レス) id: b67bdd910f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆづ子 | 作成日時:2018年5月10日 8時