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「ベク先輩ってさ」
ある日の部活前。
部員達が来る前に準備をしていた時にミナが不思議そうに話し始めた。
「Aだけに話しかけるよね」
「え？」
私は持っていたボールを落とした。
体育館にボールの跳ねる音が響く。
「私あんまり話したことないもん」
「そうかな、でも私だってそんなに話すことない」
「ええー！絶対そうだよ！名前だってもう覚えてるはずなのに何回も聞くじゃん！」
名前覚えてないのは私に興味がないからじゃないの？そう思うのに心がズキンって痛むのはきっと気のせい。
「そうかは分かんないけど、ベク先輩と話すの楽しいよ、可愛いし」
なんだか照れ臭い気持ちになってきたのでこの会話を早く終わらせたい。
いつみんなが来るか分からないし。
「ふーん、Aってベク先輩の事好きなわけ？」
真後ろから声が聞こえてパッと振り返るとそこにいたのはルハン。
めっちゃニヤニヤしてる。
「きもい」
「はあ！？きもいってなに！きもいって！」
今にも飛びかかって来そうな勢いで私を睨んでくるルハン。こいつはナルシストというやつでは？
「まあ確かに今の顔はきもかったよ」
「…！しうちゃんまで！！」
だからその呼び方やめろよと言いながら抱きついてくるルハンを押し返すミンソク。
「ミンソクもそう思うなら間違いない」
笑いながらそう言ったミナ。
顔にイーシンはどこ？って書いてある…。
「みんなしていじめるなんて酷い…」
うるうるし始めたルハン。
「嘘泣きはだめだよ〜」
どこからかやってきたイーシンとクリス。
の後ろからため息をつきながら歩いてくるジュンミョン。
「どうしたの？」
ジュンミョンにそう聞けば今度は本物の涙目で
「A〜〜！！」
と飛んでくるもんだからサッと避けた。
「飛んでこないでよ…抱きつくならルハンにして」
「冷たい！！」
シクシクと言い始めるジュンミョンにそれで？と目で合図を送る。
「ルハンが呼び出された」
「え？なんで？」
みんながポカンとする中ルハンがそう聞き返した。
いやなんで自分の事なのに知らないの？みんなの視線がそう物語っている。
「お前また授業中にミンソクのこと盗撮しただろ？先生がお怒りだよ」
なんでそんな事するのよ。
あほだな間違いなく。
「これで3回目だ…」
ジュンミョンが小さく呟いた。
なるほど、それで泣いてたんだ。
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作者名：enen♪ | 作成日時：2019年7月16日 0時
